スペイン代表は負傷者が相次ぐ中でも控え選手の奮闘が底上げにつながり、難なく北中米ワールドカップ行きを決めた。その中で故障がちの大黒柱、ロドリ(マンチェスター・シティ)の穴埋め役以上の働きを見せたのがマルティン・スビメンディ(アーセナル)だ。
11月シリーズではジョージア戦で2得点を挙げて4-0の勝利に貢献し、扱われ方はもはや主軸と変わらない。そして、その勢いは今夏に移籍したアーセナルでも続いている。
加入直後からミケル・アルテタ監督の下で中盤の要となり、戦術アナリストのアレハンドロ・アロージョ氏は「状況把握、身体の向き、予測の精度はいずれも一級品。ワンツーでテンポよく繋ぎ、利き足側のパスコースを消されてもドリブルで間を作る。スビメンディの得意なプレーのひとつに、サイドチェンジで局面を変え、次のパスコースを生み出す動きがあるが、彼は守備でも読みの鋭さで相手のチャンスの芽を摘む。すべてのプレーに戦術的裏付けがあり、まるで5年も前からアーセナルで過ごしてきたかのようだ」と最大級の賛辞を送る。レアル・ソシエダで蓄えた地力を、新天地で遺憾なく発揮している証左だ。
レアル・マドリーのファンにとっては「取り逃がした悔しさ」が高まる一方だ。マドリーも今夏、スビメンディの獲得に動いた。しかし、すでにアーセナルと非公式ながら合意しており、完全に後手に回った。ソシエダの地元紙『noticias de Gipuzkoa』のミケル・レカルデ記者は、「今さらスビメンディを発見したかのように振る舞い、ペレス会長がなぜ本気で獲得に動かなかったかを嘆くマドリディスタの姿を見るのは滑稽だ。すでに数か月前にはアーセナルと合意済みだったのに」と皮肉る。
さらにスポーツ紙『SPORT』の副編集長シャビエル・オルトゥニョ氏も「スビメンディの最近の活躍を見て、最も後悔しているのはマドリーだ。彼らには今夏、『シャビ・アロンソ監督就任』という絶好のタイミングがあった。サッカー的観点から見れば、スビメンディがマドリーに来るのは、どのクラブよりも自然な流れだった。同監督はこの若きMFを知り尽くしている。ソシエダBを率いていた頃から“現代的なセントラルMFの理想像”としてスビメンディを高く評価していた。しかし、マドリーが決断をためらう間にアーセナルが宝石をさらっていった」と指摘する。
スビメンディは移籍後の飛躍で評価を高めるだけでなく、獲得を逃したクラブに後悔を残す存在になっている。それもまた、彼の実力の証といえるだろう。
文●下村正幸
【動画】アーセナルがホームでバイエルンとの激戦制す! CLハイライト
11月シリーズではジョージア戦で2得点を挙げて4-0の勝利に貢献し、扱われ方はもはや主軸と変わらない。そして、その勢いは今夏に移籍したアーセナルでも続いている。
加入直後からミケル・アルテタ監督の下で中盤の要となり、戦術アナリストのアレハンドロ・アロージョ氏は「状況把握、身体の向き、予測の精度はいずれも一級品。ワンツーでテンポよく繋ぎ、利き足側のパスコースを消されてもドリブルで間を作る。スビメンディの得意なプレーのひとつに、サイドチェンジで局面を変え、次のパスコースを生み出す動きがあるが、彼は守備でも読みの鋭さで相手のチャンスの芽を摘む。すべてのプレーに戦術的裏付けがあり、まるで5年も前からアーセナルで過ごしてきたかのようだ」と最大級の賛辞を送る。レアル・ソシエダで蓄えた地力を、新天地で遺憾なく発揮している証左だ。
レアル・マドリーのファンにとっては「取り逃がした悔しさ」が高まる一方だ。マドリーも今夏、スビメンディの獲得に動いた。しかし、すでにアーセナルと非公式ながら合意しており、完全に後手に回った。ソシエダの地元紙『noticias de Gipuzkoa』のミケル・レカルデ記者は、「今さらスビメンディを発見したかのように振る舞い、ペレス会長がなぜ本気で獲得に動かなかったかを嘆くマドリディスタの姿を見るのは滑稽だ。すでに数か月前にはアーセナルと合意済みだったのに」と皮肉る。
さらにスポーツ紙『SPORT』の副編集長シャビエル・オルトゥニョ氏も「スビメンディの最近の活躍を見て、最も後悔しているのはマドリーだ。彼らには今夏、『シャビ・アロンソ監督就任』という絶好のタイミングがあった。サッカー的観点から見れば、スビメンディがマドリーに来るのは、どのクラブよりも自然な流れだった。同監督はこの若きMFを知り尽くしている。ソシエダBを率いていた頃から“現代的なセントラルMFの理想像”としてスビメンディを高く評価していた。しかし、マドリーが決断をためらう間にアーセナルが宝石をさらっていった」と指摘する。
スビメンディは移籍後の飛躍で評価を高めるだけでなく、獲得を逃したクラブに後悔を残す存在になっている。それもまた、彼の実力の証といえるだろう。
文●下村正幸
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