現地時間11月18日に行なわれた北中米ワールドカップ欧州予選最終節、グループCではスコットランド代表が劇的な結末でデンマーク代表を４-２で下し、７大会ぶりとなる本大会出場を決めた。

　デンマークに勝点１下回って迎えた最終のホームゲーム、ハムデンパークの５万の観衆が見守る前で、スコットランドは開始３分にスコット・マクトミネイの鮮やかなオーバーヘッド弾で先制し、57分にラスムス・ホイルンドのPKで追いつかれるも、終盤に入った78分にセットプレーからローレンス・シャンクランドが待望の勝ち越しゴールを決める。しかしその３分後に再びアウェーチームの同点ゴール（得点者はパトリック・ドルグ）を許したため、勝たなければならないホームチームは窮地に追い込まれた。

　そしてアディショナルタイムに突入して３分が過ぎた時、キーラン・ティアニーがこぼれ球をダイレクトでゴール左隅に叩き込んでホームの大観衆を大興奮に導くと、３分後にはケニー・マクリーンがハーフウェーライン付近からロングシュートを放ち、前に出ていた相手GKカスパー・シュマイケルの頭上を抜いてトドメを刺してみせた。

　2019年から母国代表チームを率いてきたスティーブ・クラーク監督は、「私はずっと前から言い続けてきた。選手たちがどれだけ優れているか、そして彼らが祖国のために良い結果を残そうと、どれほどの決意を持っているかを。彼らは今夜、それを示した。選手たちを、これ以上なく誇りに思う。素晴らしい」と選手たちへの賛辞を惜しまなかった。
  　一方、今夏に悲劇的な交通事故で亡くなったリバプールのチームメイト、ディオゴ・ジョタにこの勝利を捧げたアンディ・ロバートソンは、「今日の一戦が、このチームを象徴している。最後まで諦めない。我々は本当に、最後の瞬間まで戦い続ける。まさに、狂気じみた試合だった。国中をハラハラさせたのは間違いないだろうが、それだけの価値はあった。我々はW杯へ行く。信じられない。このチームの仲間とスタッフは、僕がこれまで関わってきた中で最高のグループだ」と喜びを爆発させている。

　1998年フランス大会以来、28年ぶりの本大会出場――国内の若者たちは、誰も自国代表チームが世界最高の舞台でプレーするところを見る機会がなかったというほどの、あまりに長い空白期間だったが、ついに歴史は塗り替えられる。『THE SCOTTISU Sun』紙も感動を隠せなかった。

「27年にわたる失意、あと一歩でW杯に手が届かなかった試合、国中がテレビの電源を切りたくなるような夜を経て、『タータン・アーミー』が世界最大のサッカーの舞台に戻ってくる。一世代のスコットランド人にとっては、これまで一度も目にした経験のない瞬間――何十年も待ち続けた夢の実現である。そして来夏、失われた時間を取り戻すために、何万人もの人々が大西洋を渡り、北中米のスタジアムや街を、スコットランド・ファンのあの独特の咆哮が満たすのは間違いない」