現地12月６日に行なわれたプレミアリーグ第15節、リーズ・ユナイテッドの田中碧はリバプール戦で劇的な同点ゴールを決め、ホーム戦を３-３の引き分けに持ち込んだ。降格圏の危険水域から一歩抜け出す貴重な勝点１をもたらすゴールとなったが、前節チェルシー戦の今季初得点に対する称賛の声も小さくなかった。

　現地時間12月３日に行なわれたプレミアリーグ第14節で、チームは連敗を４で止める今季４勝目を挙げたが、この上位チーム相手のホームゲームで貴重な２点目を挙げたのが田中碧だった。

　ジャカ・ビヨルの先制ヘッド弾で１点リードして迎えた43分、すでに何度もフィニッシュに絡んでいた田中はペナルティーエリア手間でパスを受けると、しっかりコントロールされた鋭いシュートをゴール右隅に突き刺して今季初ゴール。プレミアリーグでの記念すべき１得点目は、50分にチェルシーのペドロ・ネトに１点を返されたことで、勝負を左右する貴重な１点ともなった。
  　自身のSNSで「またひとつ、夢が叶いました。大きな飛躍に見えるけれど、それは小さな積み重ねの結果です」と喜びを表わした日本代表選手による一撃を、クラブの公式サイトは「ルーカス・ヌメチャがボールを奪い返し、ジェイドン・ボーグルへと繋がり、田中へボールが流れると、このMFは思い切りシュートを放ち、GKの逆方向へ低く強烈な弾道で突き刺した！」と伝えている。

　現地メディアの評価を見ると、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』は番狂わせに大貢献した田中に10点満点の「８」を与え（チーム２番目タイ）、「見事な長距離シュート」と称賛。英国公共放送「BBC」も、「ハーフタイムの２分前、エンソ・フェルナンデスが自陣ボックス付近でボールを奪われてからのプレーで、ボーグルからパスを受けた田中は力強くカーブをかけたシュートを叩き込んだ」と報じた。

　日刊紙『The Guardian』は「田中の豪快弾がリーズを、精度を欠くチェルシー相手のアップセットリーズに導いた」と題したレポート記事で、「GKロベルト・サンチェスをロングレンジから打ち破った」と記述。一方、『THE Sun』紙はチェルシーの視点から「彼らは自らを破滅へと追い込んだ。エンソ・フェルナンデスがぎこちないトラップからボーグルにボールを奪われる、アルゼンチン人選手は、田中がペナルティーエリアの縁からゴール右隅へと猛烈なシュートを叩き込むのを見て、血の気が引いたに違いない」と綴っている。

　また同メディアは、ライブ実況の記事で田中のゴールを「豪快弾」「ボーグルのパスから田中が完璧なシュートでネットに突き刺した」「エランロードの声援は物凄いことになっており、田中がサンチェスの手の届かないところへ雷鳴のようなシュートを叩き込んだ時、巨大なスタンドの屋根が吹き飛ぶかと思うほどだった。見事な一撃であり、チェルシーのスター選手たちに対してリーズが見せてきたプレッシングと執拗な追い回しを考えれば、まさに彼らに相応しいゴールだった」と評した。

「ボックス外からの素晴らしいゴール」と褒め称えた『Daily Mail』紙は、こちらもチーム２番目タイとなる「7.5」の高採点を付与。対して、チーム最高採点の「８」としたのは、リーズの地元メディア『Leeds Live』で、寸評も「それまでに３本の酷い試みがあったが、あの途方もなく見事なロングレンジ弾の前では関係なかった。おそらく単にウォームアップしていただけなのだろう。中盤をしっかり走り回った」とポジティブな内容となっている。