3月の予選プレーオフを終え、今夏にアメリカ、カナダ、メキシコの共催で行なわれるワールドカップに出場する全48か国がついに出揃った。
地域も文化も異なる国々が一堂に会するこの史上最大規模となる大会は、サッカーのグローバル化を象徴する舞台となるが、その裏側では「人口の多さ=強さ」という単純な図式が成り立たない現実も改めて浮き彫りになっている。
ベトナムの文化スポーツ観光省が刊行する新聞『VAN HOA』はこの点に着目し、「今回のワールドカップ予選の結果は、人口の多さがサッカーの成功を保証するものではないという事実を示した。実際、世界で最も人口の多い上位10か国のうち、今大会に出場するのはアメリカ(3位)とブラジル(7位)のみ。人口規模は潜在力の基盤と見なされてきたが、現実的にはそれが成功を意味するわけではない」と指摘した。ちなみに出場権を逃した8か国は、インド、中国、インドネシア、パキスタン、ナイジェリア、バングラデシュ、ロシア、エチオピアである。
同メディアはさらに、人口が多いこと自体は潜在的な選手層の拡大や競技人口の増加といった利点をもたらすとしながらも、「人口はあくまで数を提供するに過ぎず、質はシステムに依存する」と強調。育成計画の欠如やインフラ不足、リーグの低クオリティー、運営の問題などが重なれば、その優位性は活かされないと分析する。
そして記事の中で、“成功例”として挙げられたのが日本だ。同メディアは、「日本は人口の潜在力を実際のサッカーの力へと変えた典型例であり、その中核にあるのが『学校サッカー』である。日本はエリート養成機関だけに依存するのではなく、学校教育の中にサッカーを組み込み、競技を通じた人材育成を進めてきた」と紹介している。
具体的には、「中学、高校、大学の大会は非常に競争力が高く、体系的かつ継続的に運営され、社会的にも大きな関心を集めている」として、単なる部活動の枠を超えたリーグ育成システムとして機能している点を強調。さらに、「学校サッカーとプロリーグ(Jリーグ)が密接に連係している」点を重要なポイントとして挙げ、これによって世代交代が途切れずに進む仕組みが構築されていると次のように評価した。
「その成果は国際舞台での結果にも表われている。(先月の国際親善試合で)日本代表がウェンブリーでイングランド代表を破った事実は、そのシステムのクオリティーの高さを改めて示した。継続的なW杯出場や、欧州強豪と互角に戦う現在の姿は、学校を基盤とした長期的な戦略の必然的な成果である」
そして『VAN HOA』は、「人口1億人を超えるベトナムもまた、大きな潜在力を持つ国のひとつである」と主張。「適切な方向性があれば、ベトナム・サッカーはさらなる飛躍が可能である」と綴っている。ただし、現状の課題については「もはや量(プレー人口)の拡大ではなく、質の向上が求められている」と指摘する。
そのためには、「大衆的な活動からプロフェッショナルへの移行、広範な育成から精鋭育成への転換、短期的成果から長期戦略へのシフトが必要だ」とし、「科学的な競技システムや指導者育成、施設投資」の重要性を強調した。
最後に同メディアは、改めて「人口とサッカーの発展は単純な比例関係ではない」と訴え、「人口は可能性を生み出すが、それを成果に変えるのは発展の思想、育成のクオリティー、そしてサッカー文化である。グローバル化と高度化が進む現代サッカーにおいて問われているのは、『人が多いか少ないか』ではなく、『その人的資源をいかに有効に活用できるか』という点に他ならない」と記事を締めている。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】聖地ウェンブリーで日本が勝利! イングランド戦ハイライト
地域も文化も異なる国々が一堂に会するこの史上最大規模となる大会は、サッカーのグローバル化を象徴する舞台となるが、その裏側では「人口の多さ=強さ」という単純な図式が成り立たない現実も改めて浮き彫りになっている。
ベトナムの文化スポーツ観光省が刊行する新聞『VAN HOA』はこの点に着目し、「今回のワールドカップ予選の結果は、人口の多さがサッカーの成功を保証するものではないという事実を示した。実際、世界で最も人口の多い上位10か国のうち、今大会に出場するのはアメリカ(3位)とブラジル(7位)のみ。人口規模は潜在力の基盤と見なされてきたが、現実的にはそれが成功を意味するわけではない」と指摘した。ちなみに出場権を逃した8か国は、インド、中国、インドネシア、パキスタン、ナイジェリア、バングラデシュ、ロシア、エチオピアである。
同メディアはさらに、人口が多いこと自体は潜在的な選手層の拡大や競技人口の増加といった利点をもたらすとしながらも、「人口はあくまで数を提供するに過ぎず、質はシステムに依存する」と強調。育成計画の欠如やインフラ不足、リーグの低クオリティー、運営の問題などが重なれば、その優位性は活かされないと分析する。
そして記事の中で、“成功例”として挙げられたのが日本だ。同メディアは、「日本は人口の潜在力を実際のサッカーの力へと変えた典型例であり、その中核にあるのが『学校サッカー』である。日本はエリート養成機関だけに依存するのではなく、学校教育の中にサッカーを組み込み、競技を通じた人材育成を進めてきた」と紹介している。
具体的には、「中学、高校、大学の大会は非常に競争力が高く、体系的かつ継続的に運営され、社会的にも大きな関心を集めている」として、単なる部活動の枠を超えたリーグ育成システムとして機能している点を強調。さらに、「学校サッカーとプロリーグ(Jリーグ)が密接に連係している」点を重要なポイントとして挙げ、これによって世代交代が途切れずに進む仕組みが構築されていると次のように評価した。
「その成果は国際舞台での結果にも表われている。(先月の国際親善試合で)日本代表がウェンブリーでイングランド代表を破った事実は、そのシステムのクオリティーの高さを改めて示した。継続的なW杯出場や、欧州強豪と互角に戦う現在の姿は、学校を基盤とした長期的な戦略の必然的な成果である」
そして『VAN HOA』は、「人口1億人を超えるベトナムもまた、大きな潜在力を持つ国のひとつである」と主張。「適切な方向性があれば、ベトナム・サッカーはさらなる飛躍が可能である」と綴っている。ただし、現状の課題については「もはや量(プレー人口)の拡大ではなく、質の向上が求められている」と指摘する。
そのためには、「大衆的な活動からプロフェッショナルへの移行、広範な育成から精鋭育成への転換、短期的成果から長期戦略へのシフトが必要だ」とし、「科学的な競技システムや指導者育成、施設投資」の重要性を強調した。
最後に同メディアは、改めて「人口とサッカーの発展は単純な比例関係ではない」と訴え、「人口は可能性を生み出すが、それを成果に変えるのは発展の思想、育成のクオリティー、そしてサッカー文化である。グローバル化と高度化が進む現代サッカーにおいて問われているのは、『人が多いか少ないか』ではなく、『その人的資源をいかに有効に活用できるか』という点に他ならない」と記事を締めている。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】聖地ウェンブリーで日本が勝利! イングランド戦ハイライト




