昨シーズンはアヤックスがベスト4まで駆け上がった通り、非メガクラブの躍進はCLにおける醍醐味のひとつだ。今シーズンで言えば、RBライプツィヒが候補のひとつだろう。ブンデスリーガ屈指の攻撃力を誇る同クラブの特徴と可能性に迫る。
■「違い」を生み出すのが指揮官ナーゲルスマンだ
クラブ史上初となるヘルプストマイスター(=秋の王者。ブンデスリーガ前半戦の首位)に輝いたRBライプツィヒが、CLでビッグサプライズを提供するかもしれない。バイエルンの本拠地に乗り込んだ2月9日の国内リーグでスコアレスドローに持ち込んだように、欧州トップクラスの強豪と伍して渡り合える競争力を備えているのは確かだ。
そのバイエルン戦に臨んだスタメンの平均年齢は23・45歳。GKペテル・グラーチ(29歳)、DFマルセル・ハルステンベルク(28歳)、MFマルセル・ザビツァー(25歳)を除く8人が23歳以下と、才気溢れるヤングタレントたちがチームの原動力となっている。なかでも不可欠な存在がエースのティモ・ヴェルナー(23歳)だ。圧倒的なスピードと抜群のシュートセンスを誇るストライカーはブンデスリーガ25節終了時点で21ゴールを挙げ、絶対的な得点源として君臨している。
もっとも、最大の“違い”を作り出しているのは、ユリアン・ナーゲルスマンだろう。昨夏にホッフェンハイムからやって来た32歳の青年監督は、クラブ伝統の「縦に速い攻撃」と「ハイプレス」というコンセプトを尊重しつつ、ポゼッションの質を高めたり、複数のシステムを操ったりして、チーム力をもう一段上げることに成功した。
データサイト『Understat.com』によれば、ナーゲルスマンは今シーズンのブンデスリーガで実に10個のシステムを採用している。ただ、使用頻度の高い4-4-2や3-4-3にしても、あくまで数字の羅列に過ぎない。なにしろ試合中に選手たちが目まぐるしくポジションを変えるからだ。例えば、2セントラルMFが横一線に並ぶようなケースは滅多になく、前記のバイエルン戦では守備時に3CB+2WBを中央に密集させる、さながら5CBのような形になっていた。この時の陣形をあえて示すなら5-2-3だ。
後方からのビルドアップ時も相手の陣形やプレスの掛け方を見極めたうえで、選手個々が臨機応変にポジションを取る。いかなるシチュエーションにおいても、もっともプライオリティーを置いているのは、斜めを含む縦方向へのパス。やむをえない場合を除き、横や後方へのパスは控えるように徹底されている。
守備時の特長を挙げれば、代名詞のハイプレスだろう。相手のミスや苦し紛れのロングパスを誘発すべく、最前線からボールホルダーに激しくアプローチ。もちろん個々が自由に動くのではなく、相手にとって有効なパスコースを消すように複数人が連動しながら追い込んでいる。そしてボール奪取後は、迅速なポジティブ・トランジション(守→攻の切り替え)からFW&MFが一気にスペースに飛び出し、ゴールを陥れるのが十八番だ。
■「違い」を生み出すのが指揮官ナーゲルスマンだ
クラブ史上初となるヘルプストマイスター(=秋の王者。ブンデスリーガ前半戦の首位)に輝いたRBライプツィヒが、CLでビッグサプライズを提供するかもしれない。バイエルンの本拠地に乗り込んだ2月9日の国内リーグでスコアレスドローに持ち込んだように、欧州トップクラスの強豪と伍して渡り合える競争力を備えているのは確かだ。
そのバイエルン戦に臨んだスタメンの平均年齢は23・45歳。GKペテル・グラーチ(29歳)、DFマルセル・ハルステンベルク(28歳)、MFマルセル・ザビツァー(25歳)を除く8人が23歳以下と、才気溢れるヤングタレントたちがチームの原動力となっている。なかでも不可欠な存在がエースのティモ・ヴェルナー(23歳)だ。圧倒的なスピードと抜群のシュートセンスを誇るストライカーはブンデスリーガ25節終了時点で21ゴールを挙げ、絶対的な得点源として君臨している。
もっとも、最大の“違い”を作り出しているのは、ユリアン・ナーゲルスマンだろう。昨夏にホッフェンハイムからやって来た32歳の青年監督は、クラブ伝統の「縦に速い攻撃」と「ハイプレス」というコンセプトを尊重しつつ、ポゼッションの質を高めたり、複数のシステムを操ったりして、チーム力をもう一段上げることに成功した。
データサイト『Understat.com』によれば、ナーゲルスマンは今シーズンのブンデスリーガで実に10個のシステムを採用している。ただ、使用頻度の高い4-4-2や3-4-3にしても、あくまで数字の羅列に過ぎない。なにしろ試合中に選手たちが目まぐるしくポジションを変えるからだ。例えば、2セントラルMFが横一線に並ぶようなケースは滅多になく、前記のバイエルン戦では守備時に3CB+2WBを中央に密集させる、さながら5CBのような形になっていた。この時の陣形をあえて示すなら5-2-3だ。
後方からのビルドアップ時も相手の陣形やプレスの掛け方を見極めたうえで、選手個々が臨機応変にポジションを取る。いかなるシチュエーションにおいても、もっともプライオリティーを置いているのは、斜めを含む縦方向へのパス。やむをえない場合を除き、横や後方へのパスは控えるように徹底されている。
守備時の特長を挙げれば、代名詞のハイプレスだろう。相手のミスや苦し紛れのロングパスを誘発すべく、最前線からボールホルダーに激しくアプローチ。もちろん個々が自由に動くのではなく、相手にとって有効なパスコースを消すように複数人が連動しながら追い込んでいる。そしてボール奪取後は、迅速なポジティブ・トランジション(守→攻の切り替え)からFW&MFが一気にスペースに飛び出し、ゴールを陥れるのが十八番だ。