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海外サッカー

大注目の一戦で逆転勝利のスペイン代表、各方面から賛辞!「あらゆる場所にクオリティーが」敗れたイングランドも「ある種の進歩」

THE DIGEST編集部

2026.09.28

開始から1分45秒、ヤマルのゴールで先制したスペインが、敵地でのイングランドを3-2で勝利した。(C)Getty Images

開始から1分45秒、ヤマルのゴールで先制したスペインが、敵地でのイングランドを3-2で勝利した。(C)Getty Images

 UEFAネーションズリーグ(UNL)で実現した注目のビッグマッチは、世界王者の底力をあらためて印象付ける一戦となった。現地9月26日、イングランド代表とスペイン代表が聖地ウェンブリーで激突。世界最高峰のプレミアリーグを擁する国と、北中米ワールドカップ王者の対決は、最後まで目の離せない展開の末、アウェーのスペインが3-2で競り勝った。

 試合開始わずか2分、DFマーク・グエイのミスを見逃さなかったFWラミン・ヤマルが先制点。しかしイングランドも36分、MFジュード・ベリンガムとの連係からFWアンソニー・ゴードンが同点弾を決めると、さらに4分後にはFWハリー・ケインのヘディングシュートがDFマルク・ククレジャに当たってゴールに吸い込まれ、逆転に成功した。

 前半を2-1で折り返したイングランドは、後半に入って得たPKをケインがクロスバーに当てて失敗。軸足を滑らせたようだった。ここからスペインが反撃。途中出場のMFアレックス・バエナが60分に同点弾を決め、74分にはバエナのパスを同じく途中出場のFWミケル・オジャルサバルが仕留めた。敵地で鮮やかな逆転劇を演じたスペインは、PK戦を除く無敗記録を「39」に伸ばしている。

 この劇的な一戦を、スペイン・マドリードのスポーツ紙『MARCA』は「ウェンブリーでのオーレと逆転」と題して大々的に報道。「スペインは1時間にわたってイングランドの猛攻に耐え、素晴らしいバエナがゴールを決め、オジャルサバルの逆転弾をアシストして試合をひっくり返した」と称賛した。

 特に評価したのは、劣勢でも崩れなかった世界王者としての勝負強さだ。「スペインはラミンとともに主導権を握ってスタートし、1時間にわたるイングランドの圧倒的なフィジカルに苦しんだ。それでも、ルイス・デ・ラ・フエンテ監督の交代策によって“世界王者のライセンス”を取り出し、バエナとオジャルサバルがイングランドのティーカップを打ち砕いた」との独特の表現で、この逆転劇を伝えている。

 一方、スペインの日刊紙『El Pais』がスポットライトを当てたのが、ウェンブリーで強烈な存在感を放ったヤマルだ。「時計が2分を示す前から、ラミンはイングランド守備陣に襲いかかり続けていた」と、その積極性を評価し、グエイからボールを奪って決めた先制点については、バルセロナ近郊の故郷ロカフォンダの郵便番号下三桁にちなみ、「ウェンブリーに“304”の刻印を残した」と表現した。

 ヤマルの貢献度は計り知れなかった。スペインが1-2と逆転されて苦しくなった時間帯でもプレスをかけ続け、その守備がバエナの同点弾につながった。同メディアはこの点について、「ラミンは自分自身の試合だけを考えていたわけではない。スペインの試合を考えていた」と、チームのためにプレーする姿勢にも注目している。

 
 スペインの強さを評価したのはスペイン国内のメディアや有識者だけではない。世界中から「ラ・ロハ」に対して賛辞が贈られた。バルセロナのスポーツ紙『Mundo Deportivo』はその中から、元フランス代表FWでバルセロナでも活躍したティエリ・アンリの「スペインはパニックにならなかった。自分たちのアイデンティティーを最後まで捨てなかった」とのコメントを紹介した。

「スペインがボールを持つたびに、その周囲で選手たちが動いていた。ひとりが受け、別のひとりが顔を出し、さらに別のひとりがスペースを作る。すると突然、イングランドは影を追いかけて走っているようになる。それこそが、彼らのサッカーの美しさだ。スペインが勝ったのは、自分たちの考えを捨てたからではない。プレッシャーが最高潮に達した時にも、スペインであり続けたからだ」

 さらにアンリは、「スペインは、ヤマルだけではない。フェラン・トーレス、ダニ・オルモ、そして周囲の選手たちも、異なる方法で相手にダメージを与えることができる。あらゆる場所にこれほどのクオリティーがある。それこそがスペインを危険な存在にしている理由だ」と世界王者を称えた。

 対照的にスポーツ専門チャンネル『ESPN』は、ホームチームの課題に着目。フィジカル、走力、カウンターという長所を活かして一時は試合をひっくり返したイングランドについて、「とくに守備面で多くのミスをしてしまった」と指摘。3失点全てに守備面の問題が表われたとして、「イングランドの守備陣はつねに不安定に見える」と報じた。

 一方、英国の日刊紙『The Guardian』は、自国代表の敗戦を必ずしも悲観的には捉えていない。北中米W杯の準決勝アルゼンチン戦で55分付近から試合が暗転したように、今回もケインがPKを失敗した54分を境に流れを失ったイングランドだが、同紙は「W杯とは全く同じではなかった。まず、イングランドはアトランタでの試合よりはるかに良く、しかも相手はより強いチームだった」と評価している。

 実際、ハイプレスや中盤での積極性を見せた「スリーライオンズ」の戦いぶりを同紙は前向きに受け止めた。ゴードンのゴールを「素晴らしい3人による、自陣から相手ゴール前までのカウンター」と評し、スペインに逆転された後も「ロングボール一辺倒になることも、パニックになることもなく、終盤には幾つかチャンスも作った」と、W杯からの改善ぶりを認めた。

「また負けた。しかし、よりよく負けた。これは少なくとも、ある種の進歩だった」。同紙は、スペイン戦をポジティブな記述で締めくくった。

構成●THE DIGEST編集部
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