マンチェスター・シティが財務規則を巡る100件を超える違反について、独立委員会から有罪判決を下された一件は、イングランドサッカー界を揺るがす一大スキャンダルへと発展している。
マンCは、2009年から18年までの長期間に及ぶ「重大な違反」が認定されたことを不服として控訴する意向を示しているが、この件を受けて、10年以上の指揮でクラブの黄金時代を築き、昨季限りで退任したジョゼップ・グアルディオラが声明を発表。以下のように、マンCへの全面的な支持を表明した(スポーツ専門チャンネル『ESPN』より)。
「世界中のマンCのファン一人ひとりに知ってほしい。私はここにいる。これまで以上に。私はクラブ、オーナー、会長、フェラン(・ソリアーノCEO)、選手、スタッフ、エンツォ(・マレスカ監督)、そして唯一無二のサポーターである皆さんを支持している。これまでもそうだったし、これからもずっとそうだ」
さら『ペップ』は、「はっきり言っておく。我々は一緒に、これを乗り越える。みんなを愛している」と結束を呼び掛けた。マンCで20個のトロフィーを獲得した彼にとって、古巣が直面する危機に際して自らの立場を鮮明にした形だ。
しかし、英国メディアの視線は極めて厳しい。英国の日刊紙『The Guardian』は、「ペップの覇権構築――『偽りのフットボール』によって定義される時代」と刺激的な見出しを打ち、「グアルディオラのマンCでの成功は、財務上の不正によって下支えされていた」と断じている。
「現代最高の監督と称され、イングランドのサッカーそのものを変えた」というペップの功績を認めながらも、同メディアは「現在明らかになっている事実を前提とすれば、マンCでの全てのトロフィーは、組織的かつ大規模な不正による恩恵を受けて獲得されたという結論になる」と厳しく論評。とりわけペップ政権構築期の2016~18年にマンCが他クラブを大幅に上回る資金を投じたことを挙げ、わずか勝点1差で決着したリーグ優勝もあっただけに、「財務面での優位を成功と切り離せるのか?」と疑問を呈した。
また『ESPN』は、「マンCの有罪判決は、史上最高クラスの監督としてのグアルディオラのレガシーに影響を与えるのか?」を検証。「ペップは10年間で16個の主要タイトルを獲得し、チャンピオンズ・リーグ(CL)、プレミアリーグ、FAカップの三冠達成、史上初のリーグ4連覇、勝点100での優勝など、歴史的な記録を次々と樹立したが、その成功を可能にしたチーム作りの前提そのものに、今回の財務規則違反が存在した」と指摘する。
とはいえ、同メディアは彼の監督としての能力まで否定しているわけではない。バルセロナとバイエルン・ミュンヘンですでにリーグ優勝6回、バルセロナではCLを2度制覇してマンCへやって来ただけに、記事ではその戦術的才能を高く評価し、「彼が選手を向上させたことは否定できない」「史上屈指の戦術家として語り継がれる存在であることに疑いはない」との見方を示された。
その上で、「彼の能力を最大限発揮できる舞台がどのように作られたのか?」を今回の最大の問題点とし、「独立委員会が認定した証拠では、マンCのオーナー側が2009~18年にスポンサー収入を計8億3000万ポンド(約1726億円)も水増ししていたという。グアルディオラ就任前年にも巨額の追加資金が投入され、その時期にはケビン・デ・ブライネやラヒーム・スターリングらが獲得された。就任後もこうした資金面での恩恵は続いた」と伝えている。
そして同メディアは、「『名将ペップ』と『マンCの黄金時代』はもはや、まったく全く同じ尺度だけでは評価できない」と指摘。「バルサ時代から証明してきた、戦術家としての革新性や選手を成長させる手腕は健在だった一方で、マンCで積み上げた記録的なタイトルの数々については、それを可能にしたクラブの財務的基盤そのものが有罪と判断された以上、今後も厳しい検証から逃れることはできない」と結論づけた。
構成●THE DIGEST編集部
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マンCは、2009年から18年までの長期間に及ぶ「重大な違反」が認定されたことを不服として控訴する意向を示しているが、この件を受けて、10年以上の指揮でクラブの黄金時代を築き、昨季限りで退任したジョゼップ・グアルディオラが声明を発表。以下のように、マンCへの全面的な支持を表明した(スポーツ専門チャンネル『ESPN』より)。
「世界中のマンCのファン一人ひとりに知ってほしい。私はここにいる。これまで以上に。私はクラブ、オーナー、会長、フェラン(・ソリアーノCEO)、選手、スタッフ、エンツォ(・マレスカ監督)、そして唯一無二のサポーターである皆さんを支持している。これまでもそうだったし、これからもずっとそうだ」
さら『ペップ』は、「はっきり言っておく。我々は一緒に、これを乗り越える。みんなを愛している」と結束を呼び掛けた。マンCで20個のトロフィーを獲得した彼にとって、古巣が直面する危機に際して自らの立場を鮮明にした形だ。
しかし、英国メディアの視線は極めて厳しい。英国の日刊紙『The Guardian』は、「ペップの覇権構築――『偽りのフットボール』によって定義される時代」と刺激的な見出しを打ち、「グアルディオラのマンCでの成功は、財務上の不正によって下支えされていた」と断じている。
「現代最高の監督と称され、イングランドのサッカーそのものを変えた」というペップの功績を認めながらも、同メディアは「現在明らかになっている事実を前提とすれば、マンCでの全てのトロフィーは、組織的かつ大規模な不正による恩恵を受けて獲得されたという結論になる」と厳しく論評。とりわけペップ政権構築期の2016~18年にマンCが他クラブを大幅に上回る資金を投じたことを挙げ、わずか勝点1差で決着したリーグ優勝もあっただけに、「財務面での優位を成功と切り離せるのか?」と疑問を呈した。
また『ESPN』は、「マンCの有罪判決は、史上最高クラスの監督としてのグアルディオラのレガシーに影響を与えるのか?」を検証。「ペップは10年間で16個の主要タイトルを獲得し、チャンピオンズ・リーグ(CL)、プレミアリーグ、FAカップの三冠達成、史上初のリーグ4連覇、勝点100での優勝など、歴史的な記録を次々と樹立したが、その成功を可能にしたチーム作りの前提そのものに、今回の財務規則違反が存在した」と指摘する。
とはいえ、同メディアは彼の監督としての能力まで否定しているわけではない。バルセロナとバイエルン・ミュンヘンですでにリーグ優勝6回、バルセロナではCLを2度制覇してマンCへやって来ただけに、記事ではその戦術的才能を高く評価し、「彼が選手を向上させたことは否定できない」「史上屈指の戦術家として語り継がれる存在であることに疑いはない」との見方を示された。
その上で、「彼の能力を最大限発揮できる舞台がどのように作られたのか?」を今回の最大の問題点とし、「独立委員会が認定した証拠では、マンCのオーナー側が2009~18年にスポンサー収入を計8億3000万ポンド(約1726億円)も水増ししていたという。グアルディオラ就任前年にも巨額の追加資金が投入され、その時期にはケビン・デ・ブライネやラヒーム・スターリングらが獲得された。就任後もこうした資金面での恩恵は続いた」と伝えている。
そして同メディアは、「『名将ペップ』と『マンCの黄金時代』はもはや、まったく全く同じ尺度だけでは評価できない」と指摘。「バルサ時代から証明してきた、戦術家としての革新性や選手を成長させる手腕は健在だった一方で、マンCで積み上げた記録的なタイトルの数々については、それを可能にしたクラブの財務的基盤そのものが有罪と判断された以上、今後も厳しい検証から逃れることはできない」と結論づけた。
構成●THE DIGEST編集部
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