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海外サッカー

【現地発コラム】4連戦でイタリア代表が手にした、大きな成果「少なくとも6人がアッズーリの一員として確かな地歩」「ゲームモデルにめど」

片野道郎

2026.10.07

バイタルエリアでボールを奪ったバストーニが、そのままフィニッシュ。イタリアは敵地でのフランス戦を1-1で引き分けた。(C)Getty Images

バイタルエリアでボールを奪ったバストーニが、そのままフィニッシュ。イタリアは敵地でのフランス戦を1-1で引き分けた。(C)Getty Images

 足かけ3週間で4試合を消化するハードな日程となった新しい国際Aマッチウィンドウ。UEFAネーションズリーグを戦うイタリア代表は、最初の2試合でベルギーにホームで0-2の完敗(9月25日)、トルコとアウェーで4-1の大勝(28日)という対照的な結果を収めた後、フランスと敵地で1-1の引き分け(10月2日)、そしてホームでのトルコ戦には3-1で勝利(10月5日)を挙げ、4試合を2勝1分け1敗(勝点7/8得点・5失点)でフランスに次ぐグループ2位につけた。

 10月2日にパリ郊外スタッド・ド・フランスで行なわれたフランス戦のスタメンは、以下のような顔ぶれだった。

GK
ジャンルイジ・ドンナルンマ(マンチェスター・シティ)

DF
マイケル・カヨデ(ブレントフォード)
ジョルジョ・スカルビーニ(アタランタ)
アレッサンドロ・バストーニ(インテル)
リッカルド・カラフィオーリ(アーセナル)

MF
ダビデ・フラッテージ(ラツィオ)
サンドロ・トナーリ(トッテナム)
ニコロ・ファジョーリ(フィオレンティーナ)

FW
セバスティアーノ・エスポージト(サッスオーロ)
フランチェスコ・ピオ・エスポージト(インテル)
モイゼ・ケーン(コモ)

 先のベルギー戦とトルコ戦(中2日)で11人中8人を入れ替えたのに対して、この試合(中3日)では、トルコ戦のメンバーから左SB(マッテオ・ルッジェーリ→カラフィオーリ)とウイング(ジャコモ・ラスパドーリ→ケーン)の2人を入れ替えたのみ。しかも後者はラスパドーリの故障離脱を受けての対応であることを考えれば、マンチーニ監督がトルコ戦の内容に大きな手応えを感じたことは容易に想像できる。

 その2試合で最も大きな違いは、ベルギー戦では4-3-3のウイングが大外で幅を取ったのに対し、トルコ戦では保持時に両ウイングが一列内側のハーフスペースを主戦場とする4-3-2-1に近い配置を取り、サイドからの1対1突破ではなくコンビネーションによる崩しを攻撃の主体に据えたところだった。

 フランス戦では、トルコ戦で左ウイングとしてその役割を担い、高いテクニックで細かいコンビネーションに絡み、繰り返しチャンスを作り出したS・エスポージトが引き続きスタメン。故障離脱したラスパドーリの穴を埋める形で右サイドに回った。左ウイングに入ったのは、ベルギー戦で「幅を取る右ウイング」を務めたケーンだった。その時とは異なり、ゴールに向かって斜めに仕掛ける形を作りやすい逆足サイドでの起用である。

 試合は、フィジカルとテクニックの両面でイタリアを明らかに凌駕するフランスが、ポゼッション、セカンドボール、空中戦のいずれにおいても優位に立ち、ボールを握って押し込む展開となった。ボール支配率は前後半とも65%対35%とフランスが大きく上回ったが、イタリアは4-5-1のミドル/ローブロックによる高密度かつ注意深い守備でそれを受け止め、ゴール前の危険なゾーンへの侵入は許さない。

 逆に、ボールを持った時には安易に大きく蹴ることをせずに後方からつなぎ、相手のプレスをかわして前進しようと試みる。多くの場合、それが中盤で詰まって押し返されることになったが、うまく抜け出した時には、一気にファイナルサードまで持ち込んで危険な形を作り出した。

 
 8分、自陣左サイドから大きくサイドチェンジし、右サイド深くに侵入したカヨデのクロスにケーンがフリーで詰めながら、GKとの1対1を決め切れなかった決定機はその典型。前半終了時点でのゴール期待値は0.26xG対0.8xGと、ボール支配率とは裏腹にイタリアが危険な場面をより多く作り出し、0-0で折り返した。

 後半は立ち上がりからフランスが立て続けに決定機を作るも、ドンナルンマが神がかったスーパーセーブを連発。しかし、55分にペナルティーエリアのすぐ外右寄りという好位置で与えたFKを、左足でゴール右上隅に叩き込んだFWマイケル・オリーセの美しいシュートだけは、さしものドンナルンマも棒立ちで見送る以外にはなかった。

 試合はその後もフランスのペースで進んだが、68分、イタリアが自陣からのカウンターで敵陣深くに侵入、一度はボールを奪われたものの、後ろからつなごうとした相手のトラップミスにつけ込んでゴール正面でボールを奪回したバストーニが、そのまま冷静なシュートでゴールネットを揺らし、1-1の同点に追いつく。

 終盤はむしろイタリアが押し込む展開になり、ケーンがDFダヨ・ウパメカノのファウルを誘って2枚目のイエローで退場に追い込む場面もあったが、結局1-1のまま終了。1.21xG対1.46xGと、ゴール期待値で上回ったことが示す通り、イタリアは押し込まれながらも最後の一線で大きくは譲らず、逆に相手の隙を突いて散発的に危険な場面を作りだすなど、最後まで互角に近いレベルで渡り合った。

 1-1という結果以上に、トルコ戦に続いて採用した4-3-2-1を軸としたゲームモデルが攻守両局面で狙い通りに機能したことは、チーム構築途上にあるイタリアにとって何よりも大きな自信となった。

 
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