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海外サッカー

名手シルトンに“並んだ”ケインは「イングランド代表史上最高の選手か?」英メディア考察「唯一欠けているのは」

THE DIGEST編集部

2026.10.09

チェコ戦で2ゴールを決めたイングランド代表FWケイン。(C)Getty Images

チェコ戦で2ゴールを決めたイングランド代表FWケイン。(C)Getty Images

 ハリー・ケインがイングランド代表の歴史に名を刻んだ。現地10月6日にウェンブリーで行なわれたUEFAネーションズリーグ(UNL)で、チェコ代表から2ゴールを奪って自身の通算得点を91に伸ばし、3-0の快勝に大貢献。33歳のキャプテンは、またこのホームゲームで代表キャップ数を125に伸ばした。

 この「125」という数字には特別な意味があった。1970年11月から90年7月までイングランド代表のゴールを守った名手ピーター・シルトンが持つ、代表歴代最多出場記録に並んだからである。

 スポーツ専門チャンネル『ESPN』によると、ケインは偉大な先達に並んだことについて、「夢にも思わなかった。彼に並ぶことは、この上ない光栄だ」と喜びを表わし、「代表のキャンプに参加するのも、国を代表して最高のプレーをするのも、いつも楽しみだ。大切なのは個人ではなくチームだが、2ゴールを決めてチームの勝利に貢献できたことで、最高の夜になった」と満足感を示している(スポーツ専門チャンネル『ESPN』)。

 2015年3月のリトアニア戦で代表デビューを飾り、途中出場からわずか80秒足らずで初ゴールを奪ってから11年以上、「スリーライオンズ」の最前線に立ち続けてきた。代表通算得点では2位のウェイン・ルーニーに37点もの大差をつけているが、その視線はさらに先へ向いている。クリスティアーノ・ロナウドが持つ146点の代表記録超えについて、「今のところはとてつもなく遠いが、先のことは誰にも分からない。僕は今、素晴らしいコンディションにある」と語り、「まずは100得点に到達できるかだ」と、大台到達への意欲を示した。

 これらの偉業を受け、英国公共放送『BBC』は、「ケインはイングランド史上最高の代表選手なのか?」という大きなテーマに踏み込み、「イングランド代表における、現代で最高の、そして最も重要で影響力のある選手であることに疑いの余地はない」と称賛。これまで出場した主要国際大会6大会の36試合で21得点を記録し、“レジェンド”ガリー・リネカーの18試合10得点を大きく上回ったケインを、「今や、“イングランド代表史上最高”を巡る議論の有力候補に自らを押し上げた」と評価している。

 記事では比較対象として、1966年に自国開催のワールドカップでイングランドに最初で最後の世界王座をもたらしたチームの主将ボビー・ムーア、同大会を制し、マンチェスター・ユナイテッドでも欧州王者となったボビー・チャールトン、同大会決勝でハットトリックを達成したジェフ・ハースト、そして近年ではルーニーやデイビッド・ベッカムらの名が挙がった。

 
 そのなかで、元イングランド代表MFダニー・マーフィー氏は「ルーニーはおそらく、我々がこれまでに擁した中で最も万能な選手であり、私が見た中では最も才能があった」との見解を示しながらも、「しかし、ケインのクオリティー、数字、そして長く続けてきたことには誰も反論できない。これは、イングランドの偉大な選手の記録だ」と絶賛している。

 そして、ひとつだけ議論の余地がないものとして、「ケインはイングランド代表史上で最高のゴールスコアラーだ。この称号は誰も、彼から奪うことはできない」と主張。「生まれながらのゴールスコアラーであり、最高のプロフェッショナルで、技術的にも素晴らしい。ケインがイングランド史上最高の選手か? それは意見や時代によって変わる。しかし、記録と継続性だけを見ても代表史上で偉大な選手だと分かる。彼はエリート集団の中にいる」と結論付けた。

 一方、元代表GKポール・ロビンソン氏は、ケインが「現在進行形の選手」ということで「その偉大さが十分に認識されていない」と指摘した。ムーアやチャールトンが残した功績を最大限尊重しながらも、「当時と現在ではサッカーは完全に違う。選手の生活も全く異なり、ほとんど別の競技をしているようなものだ」と、単純比較そのものの難しさにも言及している。

 ケインについては、「最大の賛辞は、『ケインが負傷したらイングランドはどうするのか?』という問いを、我々がいったい何年間考え続けてきたかということだ」と表現。「あと10年、15年、20年経って振り返った時、我々はケインをさらに高く評価するだろう」と予想した。

 ただ、同メディアは、「『史上最高』の称号を巡る争いにおいてケインにつきまとう最大の論点は、イングランド代表で主要タイトルを獲得していないことだ」とも指摘。マーフィー氏も「本当に欠けている唯一のものは、ケーキの上のアイシング、つまり主要大会で最後の一線を越えることだ」と主張しているが、同氏はここまでの“無冠”について「ケインひとりの問題ではない。チームそのもの、戦術、その全てが、イングランドが最後の一線を越えられなかった理由に関係している」とも語っている。

 イングランド代表の記録を次々に塗り替えてきた一方で、メジャーイベントでは重要な試合での無得点やPK失敗などによって厳しい目も向けられたこともあった。同メディアは、「ケインにはまだ時間があり、その衰えぬ実力をもってすれば、今後さらに力強く、歴代屈指の偉大な選手としての地位を証明できるだろう」と期待を示して、記事を締めくくった。

構成●THE DIGEST編集部
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