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「ボタフォゴにとって最高のプレー」本田圭佑を現地メディアが称賛!一方で“PK譲渡”には非難の声も

THE DIGEST編集部

2020.11.02

PKを譲った本田の行為にファンは違和感を覚えたようだ。(C)Getty Images

 10月31日(現地時間)、ブラジル全国選手権(セリエA)第19節が行なわれ、ボタフォゴはセアラと2-2で引き分けた。

 10月27日のコパ・ド・ブラジルでクイアバに0-1で敗れて公式戦3試合連続で未勝利(1分け2敗)となったボタフォゴは、先月監督に就任したばかりのブルーノ・ラザロニが退任という激震に見舞われた中で、このセアラとのホームゲームに臨んだが、またしても勝点3を取り逃がした。

 前節、パスミスで決勝ゴールを献上してしまった本田圭佑だが、この日もキャプテンとして先頭でピッチに登場。16分には自身のパスからPKを獲得し、GKの逆を突いて15節レシフェ戦以来のゴールを決めた。

 23分に追いつかれるも、その5分後にマテウス・バビがヘディングシュートを決めて勝ち越し。さらに36分、相手のハンドで2度目のPKを与えられるが、キッカーを務めたヴィクトル・ルイスは枠を大きく外す。そして51分、再び同点ゴールを許してしまった。
 
 チームとしては悔いの残る試合となったが、本田について現地メディアは軒並み高評価。地元紙『LANCE!』は「前半はグッド・パフォーマンス。守備では相手のマークで自チームを助け、良いパスも出した。PKを奪い、最初のゴールを決めた。後半は疲れが見えた」と評し、採点はチーム最高の「6」(10点満点中)を与えた。

 総合サイト『globo.com』も最高採点で、こちらは「7.5」。「ボタフォゴにとって最高のプレー。チームを率い、中盤を指揮し、ゲームビジョンの素晴らしさを再び示した。PKを獲得しただけでなく、マテウス・バビのゴールの起点にもなった」と絶賛している。

 ボタフォゴの専門メディア『FOGAO NET』では、マテウス・バビの「7.5」に次ぐ「7」と、やはり高採点。寸評では「前半は素晴らしかった。2度目のPKも蹴るべきだった。終盤は疲れた」と綴った。

 前述した通り、36分のPKはV・ルイスが外したが、試合後に彼は「本田にボールを渡したが、彼は『最初のPKを決めたから』という理由で、自分に蹴るよう頼んできた」と明かしている。

 このことがちょっとした物議を醸しており、キッカーの座を譲った本田を非難する声も……。ブラジルのジャーナリスト、マテウス・メデイロス氏は、本田の行為を責任感に欠けたものと捉え、自身のSNSで「キャプテンマークを外してくれ。あなたはそれに値しない」と本田に向けたメッセージを投稿し、論争を巻き起こしている。

 当の本田は、試合後に自身のプレー写真をSNSに投稿。ファンからは「PKは全てあなたが蹴ってくれ」「(PKを譲ったことについて)この場面で日本の礼儀は必要ない」などの書き込みが多く寄せられていた。

 同日にはクラブハウスに300人ものサポーターが詰めかけて抗議行動を起こすなど、下位に低迷するボタフォゴの周囲は慌ただしさを増す一方である。21歳のコロンビア人ストライカー、イバン・アングロを獲得するなど、古豪クラブは浮上のきっかけを見出そうと必死だが、その中で経験豊富な本田の果たす役割は小さくないだろう。

構成●THE DIGEST編集部