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本田圭佑、カップ戦で高評価も“屈辱の地”で再び敗退。財政難のボタフォゴは賞金を逃し…

THE DIGEST編集部

2020.11.04

先発出場した本田に地元メディアは及第点の「6」をつけた。(C)Getty Images

 11月3日(現地時間)、コパ・ド・ブラジルのラウンド16第2レグが行なわれ、ボタフォゴはクイアバとの一戦をスコアレスドローで終え、次ラウンド進出はならなかった。

 ホームでの第1レグを0-1で落としていたボタフォゴは、必勝を誓って攻撃的な姿勢を示したものの、7割ものポゼッションを誇りながら、創造性に欠けるプレーでなかなか相手ゴールを脅かすことができず、堅守のクイアバに逃げ切りを許してしまった。

 本田圭佑はスタメンとして出場。第1レグでは自陣でプレッシャーを受け、苦し紛れに出した横パスを相手に奪われてそのまま決勝ゴールに結びつけられたことで、試合後にSNSで謝罪して「まだ勝利を諦めていない」と綴り、第2レグ前日には「明日!」と気合を入れていたが、チームを逆転に導くことはできなかった。

 奇しくも、会場となったアレーナ・パンタナールは、6年前のブラジル・ワールドカップで、本田擁する日本代表が決勝トーナメント進出にわずかな望みをかけてコロンビアと対戦するも、4ゴールを許して終戦を迎えたスタジアムだが、今回も彼は苦い思いでこの地を後にすることとなった……。

 中盤に厚みを持たせたチームでボランチを担った本田について、地元紙『LANCE!』は「前半は不安定だったが、後半はより攻撃的な動きでパフォーマンスを向上させた。創造性のあるプレーを見せた他、守備では相手のカウンターを防ぐ運動量を誇った」と評し、採点は「6」(10点満点中)。総合サイト『globo.com』も同じく「6」と、及第点を与えた。
 
 第1レグの後、ブルーノ・ラザロニ監督が退任し、現在はGKコーチのフラビオ・テニウスが暫定的に指揮を執る古豪は、2部のチームの軍門に降ってカップ戦の歩みを止めた。これにより、ボタフォゴは330万レアル(約6千万円)の賞金を獲得しそこなった。

 クラブの元会長でエグゼクティブメンバーのカルロス・アウグスト・モンテネグロによると、ボタフォゴの財政状態は悪化し、すでに破産状態にあるとのことであり、その中でこの賞金は選手の給与支払いに充てられるはずだったと『globo.com』が伝えている。

 ボタフォゴは後任監督として、ボリビア代表を率いているベネズエラ人のセサル・ファリアスにオファーを出したが断られ、再度、ボリビア・サッカー連盟と交渉を続けているという。

 チームは低迷、クラブの経営も行き詰まり、不満爆発のサポーターがクラブハウスに押し寄せるなど、最悪の状態にあるというボタフォゴだが、来年2月まで契約を延長するという本田らが中心となり、ピッチ上から少しでも明るいニュースを発信できるか。次戦は11月8日、ブラジル全国選手権(セリエA)の第20節でバイーアのホームに乗り込む。

構成●THE DIGEST編集部