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「2-0は危険なスコア」は本当なのか?Jリーグが過去4年のデータから出した結論は…

サッカーダイジェスト編集部

2019.09.29

2-0で前半を折り返したC大坂は、後半に柿谷のクロスを水沼が叩き込みリードを広げた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 サッカーでよく耳にする「2-0は危険なスコア」というフレーズがある。Jリーグはこのほど公式HPで、2-0が実際にどれほど危険なスコアなのか?というデータと分析を発表した。

 Jリーグの各カテゴリーの過去4年分のデータから2-0の状況が生まれたのは、全3871試合のうち、1337試合あったという。その1337試合の最終結果は、勝利したのが1229試合で全体の91.9%に及ぶ。引き分けは69試合で5.2%。敗北は39試合で2.9%だった。この結果を見ると、2点を先取したチームは圧倒的に優位な状況と言えそうだ。

 しかし、公開されたデータではさらに興味深いものがある。リードしているチームが追いつかれた試合の割合を表わすグラフだ。2-0のまま後半を迎えたチームが追いつかれた試合の割合は多くて10%ほど。それが1-0の状況だと40%弱に、2-0から2-1に追い上げられている状況では50%にも及ぶ。

 その後の時間経過によって割合は変わるものの、後半の15分までに2-0から2-1に追いつかれたケースは、1-0のままのケースよりもその後に同点にされるケースが多いという。
 また、後半で先行しているチームがリードを広げる確率は、2-0のままだと多い時間帯では40%ほど、1-0の場合だと35%ほどだが、2-0から2-1にされたケースだと多くても30%を切るというデータが出ている。

 つまり、2-0という状況は同点に追いつかれにくく、追加点も期待できるスコアだが、そこから1点返され、2-1の状況になると同点に追いつかれる確率が格段に高まり、再び2点差に戻せる可能性が低くなってしまう。

 9月28日のJ1リーグ27節では、まさにそれを裏付けるようなふたつの試合があった。セレッソ大阪対ガンバ大阪の大阪ダービーではセレッソが2点を先取。サガン鳥栖対浦和レッズの試合では浦和が2点を先取し、それぞれ2-0の状況で前半を終えた。

 後半早々の56分に追加点を挙げ、3-0としたC大阪は、最終スコア3-1で7年半ぶりの大阪ダービーを制した。対して69分に鳥栖に1点を返され2-1の状況になってしまった浦和は、82分のゴールで一時逆転を許してしまった。その後は執念で追いついたものの、データの最頻値通り、同点になってしまった。

「2-0は危険なスコア」という風説は、「2-0は、2-1にされると1-0の時よりも危険なスコア」だと言えそうだ。

構成●サッカーダイジェスト編集部