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「私は単なる雇われ者じゃない」本田圭佑、SNSで首脳陣に再び喝!ファンは賛否両論、ボタフォゴOBは残留を願う

THE DIGEST編集部

2020.11.29

突然の監督解任劇に、本田は不快感を隠さなかった。(C)Getty Images

 ブラジル1部のボタフォゴが11月27日、監督就任直後に甲状腺腫の手術を行なってチームを離脱していたラモン・ディアスを、1試合も指揮を執らないうちに解任。これに対し、本田圭佑がSNSで非難するとともに、自身の退団を匂わせたことが、大きな波紋を広げていた。

 28日に「信じられない」「クラブが数日内に私を納得させられない場合、退団も考え始めるだろう」とツイッターに投稿した本田は、さらに翌日、「昨日言ったことについては謝らない。これは大切なことだから。私は単なる雇われ者ではなく、パートナーだ」「私は全てを知るべきだ。そしてあなた方も」と、さらなるメッセージを綴っている。

 クラブ側は、現在チームが絶不調(公式戦9試合未勝利で降格圏内の19位)で一刻の猶予もない状況にもかかわらず、復帰時期が不明瞭であるディアス監督をこれ以上待つことはできないとして、昨年に同クラブを指揮したエドゥアルド・バロッカを呼び戻した。

 これに対し、ディアス監督の代行を務めた息子のエミリアーノは「クラブは監督の復帰時期を知っていたし、これを了承していた」として、この突然の人事に驚きと不快感を示した(地元紙『LANCE!』より)が、本田は1シーズンに4度も監督を代えるクラブの迷走ぶりに不満を爆発させた格好だ。

 ブラジルの総合メディア『globo.com』によると、本田は28日、バロッカ新監督、クラブマネジャーのトゥーリオ、そしてカイオ・アレシャンドレ、サロモン・カルー、カヌ、マルセロ・ベネベヌートの4選手とも話し合いを行なったという。
 
 本田のSNSを使ったクラブ批判については、不快感を示す首脳もいたようで、トゥーリオ・マネジャーを通して、不満や提言はSNSではなく直接クラブに言うことを求めたというが、サポーターの反応も様々で、賛否両論の意見が日本人キャプテンに寄せられており、その一部を『LANCE!』も紹介している。

「もし、これ以上チームとともに転落するのが嫌なら、帰りのチケットはテーブルの上にある。逆に、もしクラブを助けたいなら、新しい監督に『自分をより良く使ってください』と言ってくれ。ツイッターではなく、ピッチ上での主役になってほしい」

「君にクラブに残ってほしいとは言わない。君は美しいキャリアを積んできたが、このクラブは混乱に満ちている。どうかここでの"汚れ"を取り除き、平和な生活を送ってほしい。ここで君がやることはもう、何もない」

 もちろん、本田に反感を持つばかりではなく、共感し、感謝する者も少なくなく、彼の残留を望む声も多々ある。その中には、ボタフォゴのOBであり、2004年には柏レイソルでもプレーした元ブラジル代表MFのドゥドゥ(昨年に現役引退)も含まれていた。

「今、クラブには君が必要だ。なぜ、去ることを考えるんだ? それは最善の方法ではない。真のリーダーとして、選手をまとめてほしい。考えてくれ。君にはそれができる」

 これらの声に対し、本田はどのような決断を下すだろうか? ボタフォゴは12月5日、フラメンゴとの一戦で新体制での初戦を迎えるが、背番号4はピッチに立つのか、要注目である。

 なお最後に、チームを去ったディアス監督の健康状態だが、自身のSNSで手術は成功し、当初の予定だった12月7日にチームに復帰することも可能だったことを明かしている。そして、ボタフォゴのファンに対しては「今回は思った通りにならなかったが、いつかブラジルに戻りたい。我々はいつも一緒です」とメッセージを送っている。

構成●THE DIGEST編集部