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海外サッカー

久保建英は“残留”希望ながら…ビジャレアルが“放出”の意向と現地紙。専門メディアは「新たな道を探している」

THE DIGEST編集部

2020.12.22

久保の去就を巡る問題は、それぞれのクラブ財政面も絡んだ複雑な問題になっているようだ。(C)Getty Images

久保の去就を巡る問題は、それぞれのクラブ財政面も絡んだ複雑な問題になっているようだ。(C)Getty Images

 冬の移籍市場が迫る現在、ビジャレアルの久保建英の去就をめぐって、様々な憶測や噂が飛び交っている。

 スペインのスポーツ紙『AS』は12月20日(現地時間)付の記事で、ラ・リーガ第14節オサスナ戦で久保が加入以来、初めてベンチで90分間を過ごしたことは、ウナイ・エメリ監督およびビジャレアルがこの19歳の日本人選手を放出リストに加えた(=1月でのレンタルバック)ことの表われだと主張した。

 左膝に重傷を負って今季絶望とされるMFビセンテ・イボーラの穴埋めに伴い、EU外枠を空ける必要性が生じる可能性、そして有望な若手ジェレミ・ピノの存在もあり、久保に見切りをつけて所有元のレアル・マドリーに返却することが、最大の解決策だということだ。

 これまでは、久保の出場機会の少なさにマドリーが不満を示し、1月でのレンタル強制終了を考えており、ビジャレアルがこれを拒否しているというのが「退団説」の主な“あらすじ”だったが、イボーラの負傷からビジャレアルのスタンスが180度変わり、決定権を持たない(とされる)マドリーが逆に困惑する事態になっているという。

 そして翌日の記事で同メディアは、久保が残留を望んでいることを報道。完全な主力としては扱われず、またこのところ精彩を欠いたパフォーマンスに終わる試合が多くなっているものの、それでも彼は、全ては学習のひとつと考え、この厳しい環境の中で居場所を見つけられると確信しているという。

 ビジャレアルは22日、リーガ第15節でビルバオを対戦するが、マドリーはここでの久保の起用法に注視し、ビジャレアルの意図を確認することになるようだ。ちなみに、スポーツ紙『MARCA』の21日時点での予想スタメンに、久保の名前は含まれていない(4-3-3の前線は左からジェラール・モレーノ、フェル・ニーニョ、モイ・ゴメス)。
 
 マドリーの専門メディア『Defensa Central』もこの件を取り上げ、「イボーラの重傷で経営戦略を再考することとなり、久保の放出を“逃げ道”にするつもり」のビジャレアルに対し、「日本人選手は残留してポジション争いに加わることを希望」、そして「マドリーは現時点で何も明確にはしていない」と報じている。

 しかし、同メディアは「久保がビジャレアルでチャンスを得るのは不可能であることを承知しており、新たな道を探している」と締めており、ビジャレアル側の久保放出は決定事項であると捉えているようだ。

 ピッチ上の見地だけでなく、それぞれの財政面、経営面の事情も加わり、複雑化している久保の去就をめぐる問題は、いかなる決着を見るのか。久保の希望が最も反映された解決策が見つかることを期待したいが……。

構成●THE DIGEST編集部

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