日本代表

「ベストの姿はまだ先にある」“耐え忍んだ”南野拓実への現地メディアの称賛と期待

THE DIGEST編集部

2020.12.23

クリスタルパレス戦のゴールは、南野にとって浮上のきっかけになるはずだ。(C)Getty Images

 12月19日に行なわれたプレミアリーグ第14節のクリスタル・パレス戦で、リバプールの南野拓実は開始3分で先制ゴールを挙げ、7-0というアウェーでの歴史的な大勝に貢献した。

 冷静かつ巧みな一撃で待望のプレミア初ゴールを挙げて勢いづき、攻守での精力的な動きと効果的なプレー、その後も前線でのチームメイトとのスムーズな連係などを披露した25歳の日本人は、現地メディアからも軒並み高評価を得ている。

 今年1月の加入以降、散発的に輝きを放つも継続はせず、一時は技術的な未熟さも指摘されて不遇を託ったこともある南野について、幾つかのメディアはその「我慢強さ」を評価。専門メディアの『THIS IS ANFIELD』は、「南野は『忍耐の価値』を示してみせた」として、「忍耐は現代サッカーでは珍しいものだが、大きな利益をもたらす美徳である」と綴った。
 
 別の専門メディア『Rousing The Kop』も「出場機会を求めて彼は辛抱強く待ったが、チャンスはほとんどなかった」と南野のこれまでを振り返り、リーグでは合計で200分を切るプレー時間で迎えたクリスタル・パレス戦で、「彼のクオリティーに対する疑問は、すぐに解決された」と記している。

「緊張するのではなく、目的と自信を持ってプレーした南野。これ以上ないほどの良いタイミングでゴールを挙げた時、彼の肩から重りが取り除かれた」と綴った同メディアは、「南野がチャンピオン・チームに適応するためにどれだけうまく行動してきたかが忘れられている」と指摘。ザルツブルクからリバプールへの移籍は相当なジャンプアップであり、そもそもここで力を発揮するには、多くの時間を要するものだと主張した。

 そして、「南野のベストの姿は、まだ先にある」として、伸びしろがあると評価。「彼は今、リバプールの一員としての実感を得ていることだろう」と締めている。

 南野が自信を得たであろうという考えは、英国のスポーツメディア『90min』も同様。「今年7月のリーグ優勝祝賀会での彼は、まだチームに一員になり切れていなかったが、クリスタル・パレス戦での彼は、もはや新入りではないことを、その態度とパフォーマンスで示した」と、その成長を認めた。