海外サッカー

“最多ファウル”記録の一戦で久保建英も本領発揮できず…指揮官は攻撃陣に「レベル不足」と苦言

THE DIGEST編集部

2021.02.01

久保は大きな見せ場を作れないまま、79分にピッチを後にした。(C)Getty Images

 1月31日(現地時間)、ラ・リーガ第21節が行なわれ、ヘタフェがアラベスを本拠地コリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えた一戦は、スコアレスドローに終わった。

 上位進出を狙うホームチームにとっては、降格圏に沈むチーム相手に是が非とも勝点3を奪いたいところだったが、一方で前節アスレティック・ビルバオ戦での大敗(1-5)によって守備の意識が強くなり、両チームともに「先に点を取られない」ことに主眼を置いた結果、ファウルが多く(前半のファウル数24は今季の欧州5大リーグで最多!)、攻撃面では見どころの乏しい試合となった。

 そんな中で、3戦連続で先発出場を果たした久保建英も悪戦苦闘。79分にフランシスコ・ポルティージョと交代するまでに、攻撃面での見せ場は少なく、ドリブル3回(成功数)、シュートはわずか1本に終わった。ホセ・ボルダラス監督は、この日の攻撃陣について「レベルが不足している」と苦言を呈しているが、久保の出来にも満足していないだろう。

 現地メディアからの評価も軒並み低く、マドリードのスポーツ紙『AS』は「過去の試合より、より中央(シャドーとして)でプレーした。相手にとっての危険な位置に侵入しても、シュートを打つことはなかった。守備でのサポートと、(相手の左SB)ルベン・ドゥアルテを追いかけるのに注意を払うことを余儀なくされた」と綴っている。
 
 同メディアの採点は3点満点中の1点で、同じくマドリードのスポーツ紙『MARCA』、バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』などが同様の評価を下した。

 守備のタスクをこなすことはボルダラス・サッカーの重要な部分であり、その点で前節に比べれば久保の動きは悪くはなかったが、彼には攻撃面でのチーム力の向上という大きな役割が与えられており、これらをバランス良くこなせない場合は厳しい目を向けられることになる。

 チームとして攻撃面での連係の改善という課題を残してはいるものの、エルチェ戦、ウエスカ戦で見せたような、カルレス・アレニャ、マルク・ククレジャらバルセロナ下部組織出身者による巧みなボールの繋ぎからのチャンスメイクで、他のチームメイトを牽引することも、神童と称される19歳の日本人選手への要求であり、また見せ場とも言えよう。

 次戦は2月6日、セビージャとのアウェーマッチ。十分な対策を練ってくるであろう強敵相手に、それを上回るプレーで違いを見せられるかが、非常に興味深い。

構成●THE DIGEST編集部

【最新動画】久保建英も苦戦したアラベス戦のハイライト。強引に突破を図ってパスを出すも…
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