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「正しいプレーではなかった」マドリー戦で“フェードアウト”した久保建英に指揮官も現地メディアも苦言

THE DIGEST編集部

2021.02.10

スタメンを外れた久保は54分から途中出場。攻撃の活性化を託されたが、期待には応えられなかった。(C)Getty Images

 2月9日(現地時間)、ヘタフェは順延されていたラ・リーガ第1節がレアル・マドリー戦に臨み、0-2で敗北。これで4戦連続未勝利となった。

 マドリードのチーム同士の対決は、地力の差は明らかとはいえ、王者マドリーが多くの負傷者を抱えていたことで、降格圏から勝点4差の13位に沈むヘタフェが敵地でどれだけ迫れるかが注目されたが、結果的には内容も結果も順当なものとなった。

 この一戦の大きな興味のひとつだったのは、久保建英とマドリーの4度目の対峙。今季、ビジャレアル戦では終了間際の89分から途中出場に終わっていたこともあり、来季での復帰も噂される所有元クラブとの対決には並々ならぬ意気込みを抱いているとの現地報道もあったが、疲労を考慮してスタメンからは外れ、54分からの登場となった。

 アンヘルとの交代でピッチに立った久保は、同時投入されたカルレス・アレニャとの連係からチャンスを作り出し、マジョルカ時代のような大金星も期待されたが、60分に失点を喫するとチームはトーンダウンし、66分にダメを押された。守備面でルーズさを見せた久保は、最後まで見せ場を作れず、所有元クラブ相手のアピールは成功とはならなかった。
 
 前節セビージャ戦での退場でベンチに入ることが許されなかったホセ・ボルダラス監督は試合後、久保について「最高の攻撃的プレーに絡んだ」と出場直後の動きは評価したが、続けて以下のように課題を挙げている。

「彼はもっと成長し、フィジカルを向上させなければならない。まだ若く、改善の余地は十分にある。もっと、他のエリアにも顔を出さないと。もっと、中央への意識を強く持ち、周囲と連係し、前に突き進めと言いたい。シュート、1対1への意欲を見せないと……」

 指揮官は「彼はまだ若い。これから少しずつ、チームに貢献し、助けてくれるだろう」と期待も口にするが、今冬にアレニャとともに救世主として迎え入れたことを考えれば、現状は満足のいくものではなく、「彼らは攻撃で存在感を示せなかった。正しいプレーではなかったということだ」と評した。