２月13日（現地時間）、UAEリーグ第16節のシャルージャ戦で、アル・アインの中島翔哉が61分からプレー。新天地デビューを飾るとともに、キレのあるプレーで味方の決勝ゴールを演出し、２-１の勝利に貢献した。

　先月、ポルトガルの名門ポルトから今季いっぱいのレンタルでUAEに到来した日本のアタッカーは、ここまで準備が十分ではないとの理由からメンバーには入らず、今回が初のベンチ入りとなった。

　勝点12差の首位シャルージャとのアウェーマッチという重要な一戦、アル・アインは10分にカイオ（元鹿島アントラーズ）の技ありシュートで先制を許すも、前半終了間際にヤヒア・ナデルのクリアボールをダイレクトで叩いた強烈なミドルで追いつく。

　そして61分、ハリド・アル・バルシに代わって中島が登場。トレードマークの笑顔を浮かべながらピッチに入ると、最初から積極的な仕掛けを見せ、時間とともにプレーにキレが増していく。ドリブルで仕掛けるだけでなく、丁寧なクロスや縦パスなどで味方を活かすプレーなども披露した。

　そして72分、ペナルティーエリア内で背後からボールを受けると、素早くコントロールして鋭いシュート。これは相手GKの好反応に阻まれるも、こぼれ球をすかさずコディオ・ラバが詰める。決勝ゴールを演出した中島は、チームメイトの祝福に笑顔で応えた。

　この後も日本のアタッカーは、鋭いフェイントとドリブルで相手選手を苦しめ、テクニカルな突破からゴールを狙うなど、持ち味を存分に発揮。久々の実戦で、効果的なプレー、積極的な姿勢を示す彼からは、楽しそうな雰囲気が伝わってきた。
  　試合後、アンゴラ生まれのポルトガル人監督ペドロ・エマヌエルは、「困難な状況下でチームに加わった中島には、おめでとうと言いたい。彼は練習に加わるようになってから２週間ほどしか経っていないが、今日の試合に出るよう頼んだ私に対し、アル・アインのスローガンを守りたいという強い望みを示してくれた。そして彼はプレーし、勝利に貢献した」と、祝福と称賛の言葉を残している（アル・アイン公式サイトより）。

　日本のドリブルスターのデビュー戦にはUAEリーグも注目しており、公式サイトで「中島はアル・アインでの最初の試合に出場し、ラバのゴールを生み出す強烈なシュートをペナルティーエリア内で放って名を上げた」とレポートした。

　現地メディアでは、「決勝ゴールに繋がった攻撃を主導」（総合メディア『Akher.news』より）などと中島の働きを報じるところも複数あり、また記事での言及はなくても彼のプレー写真を掲載するメディアも少なくなかった。

　勝利への貢献、しかも首位相手の貴重な一戦でのものということで、新天地で好印象を与えることに成功した中島。ポルティモネンセ時代に見せた、対戦する相手DFをことごとく圧倒する驚異的な突破からのシュートが、中東の地で復活するか!?

構成●THE DIGEST編集部

【動画】絶妙なトラップからすかさずシュート！決勝点を演出した中島のプレー