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海外サッカー

香川真司の早期交代にPAOK指揮官「中盤は問題を抱えていた」。現地メディアも「準備不足」を指摘

THE DIGEST編集部

2021.03.08

リーグ戦初のスタメンに名を連ねた香川だが、前半のみでベンチへ退いた。写真:アフロ

リーグ戦初のスタメンに名を連ねた香川だが、前半のみでベンチへ退いた。写真:アフロ

 3月7日(現地時間)、ギリシャ・スーパーリーグ第25節が行なわれ、PAOKとアリス・テッサロニキとのダービーマッチは2-2の引き分けに終わった。

【動画】抜群の状況判断で絶妙な落とし!香川真司のギリシャ初アシスト

 勝点1差で肉迫する者同士の上位対決は、ホームのPAOKがボールポゼッションでは上回るも、先手を取り続けたのはアウェーチーム。26分にはミドルがGKにセーブされたところを詰め、69分にもPAOKの守備の手薄なところを突いて2点目を奪う。

 絶体絶命のホームチームは87分にロングボール戦法からスベリル・インギ・インガソンが決めて1点を返し、さらにアディショナルタイム、物議を醸したPKからヴィエイリーニャが同点とした。

 土壇場で勝点1を拾った一戦、あるいはプレーオフに向けて大事な勝点2を失ったとも言えるこのホームゲーム。欠場した選手とサポーターがスタンドで諍いを起こしたという事実からも、PAOK側にとって相当にストレスの溜まる試合だったことが窺えるだろう。

 それだけ重要だったテッサロニキ・ダービーで、香川真司はリーグ初の先発出場を果たした。4日前の国内カップ準々決勝ラミア戦同様にトップ下として攻撃をコントロールする役割を担った背番号23だが、今回は大きな見せ場を作ることなく、前半でベンチに退いている。
 
 パブロ・ガルシア監督は試合後、「前半は良いプレーが見せられなかった。特に中盤は問題を抱えていた。不運にもクリストス・ツォリスが欠場(情報ではインフルエンザ)したため、これまで中央で良いプレーをしていたアムル・ワルダをサイド(左)に移した。これにより、香川はチャンスを掴んだ。しかし、我々の前半は良くなかった」と語った。

 現地スポーツメディアの『SPORT24』も、前半不調の原因をツォリスの欠場とワルダのコンバート、そして「香川の準備不足」を挙げ、これらが「PAOKから進歩と創造性を失わせた」と綴っている。続けて、「相手のスピーディーな中盤に対して守勢に回り、香川は存在感を示せなかった。結果、『ネガティブだった香川』を指揮官はカロル・シビデルスキに代え、システムも4-4-2に変更した」と伝えた。

 このように、厳しめな評価が多数を占めた香川。前半での交代が予定通りだったのか否かは不明だが、「常に100%の力を発揮し、プレーするのに最適な選手を確認している」と語ったP・ガルシア監督だけに、45分間を戦った香川はこれに合致しなかったということかもしれない。

 前述のラミア戦ではファンの選ぶMVPに選出された31歳だが、まだ連係面で改善すべき点は多々あるようだ。14日に行なわれる最終節パナシナイコス戦、そして上位6チームによる総当たりでの優勝プレーオフと、試合ごとに進歩を見せて、存在感と価値の高さを示すことができるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部
 

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