海外サッカー

「パク・チソンにメッシを任せていれば…」伝説の名将ファーガソンが明かした“マンU25年目の後悔”とは?

THE DIGEST編集部

2021.05.23

その2年前のCLファイナルでもペップ・バルサに屈したファーガソン。雪辱を果たす意味でも負けられないビッグマッチだったが……。(C)Getty Images

「負けるはずがなかった」

 思い出深い試合をいずれかと問われて、そうしみじみ語ったのは、かつてマンチェスター・ユナイテッドに黄金期をもたらした名将アレックス・ファーガソンだ。
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 通算13度のプレミアリーグ制覇と2度のチャンピオンズ・リーグ(CL)戴冠を成し遂げるなど、レッドデビルズ(マンチェスター・Uの愛称)史上最高の指揮官と謳われる"サー"にとっても、それは忘れられない一戦だ。

 いまから10年前の5月28日、舞台は英国サッカーの"聖地"ウェンブリー。当時ファーガソン政権は25年目を迎え、円熟期の只中にあったマンチェスター・Uは、ジョゼップ・グアルディオラが率いるバルセロナとのCLファイナルに臨んだ。

 結果は惨敗だった。1点を先行された34分にウェイン・ルーニーのゴールで一度は追いつくも、54分にリオネル・メッシのエリア外からの鮮やかなミドルで勝ち越しを許すと、69分にはダビド・ビジャにダメ押されてしまう。1-3というスコア以上の差を見せつけられる完敗だった。

 ペップ・バルサの圧倒的な支配力と完成度の高さに屈したマンチェスター・U。試合終了直後に現地のテレビ中継に映った、顔を赤らめて拳を握るファーガソンの姿は、その悔しさがいかばかりのものだったかを象徴するシーンでもあった。
 
 その苦い記憶を、ほかでもない御大が回想した。英メディア『Sportbible』で、愛弟子である元イングランド代表DFガリー・ネビルのインタビューに応じたファーガソンは、「ハーフタイムの時に戦術を変えるべきだったんだ」と後悔を口にした。

「プランを変えるタイミングはハーフタイムだったんだよ。あのリオネル・メッシにパク・チソンをマンマークさせるべきだった。それをしなかったのは間違いだった」

 サッカーに"たられば"は付き物である。仮にファーガソンが、チーム屈指のタフネスだったパク・チソンをメッシのマーカーにつけたとしても、勝てたかどうかは定かでない。しかし、いくつもの修羅場をくぐり抜けてきた名将は、こう断言するのだ。

「戦術を変えた後半のラスト10分間はかなり良かったんだ。すべてが上手く回り出した。でも、遅かった。もしも、ハーフタイムに私がパクにメッシを任せていれば、我々はあのバルサにも絶対に勝てた。本当にそう思うよ」

 当時のマンチェスター・Uは、文字通り多士済々だった。そのなかでも百戦錬磨のボスから絶対的な信頼を寄せられたパク・チソン。その技術力やメンタリティーはやはり、比類なきものだったのだろう。

構成●THE DIGEST編集部
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