日本代表

53年ぶりのメダル獲得を逃した日本の「敗因」を各国メディアが指摘!的中してしまった「心・技・体」での不安【東京五輪】

THE DIGEST編集部

2021.08.07

敗戦の悔しさになく崩れた久保。グループリーグでは得点を重ねたが、ノックアウトステージでは不発に終わった。(C)Getty Images

 東京オリンピックの男子サッカーは8月6日に3位決定戦が行なわれ、日本は1-3でメキシコに敗北、53年ぶりのメダル獲得はならなかった。

 五輪の舞台では過去の日本のメダルを懸けた戦いで、必ず前に立ちはだかった因縁の相手であるメキシコとの、今大会2度目の対決。埼玉スタジアム2002での一戦は、まるでグループステージ(2-1で日本の勝利)の時とは真逆の展開となり、13分にメキシコがPKで先制すると、22分にはFKからヨハン・バスケスのヘッドが炸裂して加点。さらに中米の雄は、58分にもセットプレーからアレクシス・ベガのヘッド弾でリードを広げ、直後にも2度の決定機を作るなど、今大会で誇った攻撃力の高さを見せつけた。

 守勢の日本は、3点を失ってからようやく攻勢を強め、78分には交代出場の三苫薫が縦への突破から強烈なゴールを決め、日本に決勝トーナメントでの初得点をもたらしたが、その後の惜しい場面でシュートはことごとく枠を外れ、失意のタイムアップ。多くの選手が悔し涙に暮れることとなった。
 
 自国開催の大会で、史上最高といわれるタレントを擁し、他のどの国よりも多くの準備を積んで臨んだにもかかわらず、日本は今回も歴史を塗り替えることはできなかったが、森保一監督は試合後、言葉を詰まらせながら、「五輪に向けての努力は1ミリたりとも疑う余地はないくらい、選手は頑張ってきてくれた。ただ、今日勝てなかったということは、成長しなければいけないことだと思うので、この悔しさを糧に、また彼らには成長してほしい」と選手の労をねぎらうとともに、彼らの今後の飛躍に期待を寄せた。

 この開催国の敗戦について、自国代表が決勝に駒を進めたブラジルのメディア『Globo』は詳しくレポートしており、まず試合のキーポイントのひとつに「準決勝でスペイン相手に悲痛な敗北を喫した後、ロンドン五輪で銅メダルを獲り損なった経験を持つ吉田麻也と酒井宏樹が、失意のチームのやる気を引き出す必要があったが、一方のメキシコは準決勝敗退に対して全く動揺していなかった」として、精神面の影響があったと指摘している。