今夏にヴィッセル神戸からスコットランド１部セルティックに移籍した古橋亨梧が、新天地でロケットスタートを切っている。EL予選のヤブロネツ（チェコ）戦でデビューを果たすと、相手DFラインの隙間から背後に抜け出し、いきなり初ゴールをゲット。続く国内リーグ第２節ダンディ戦でも先発出場し、今度はハットトリックを達成。３つとも相手DFを置き去りにした美しいゴールで、早くも鮮烈な印象を残している。

　CL予選は早期敗退に終わり、リーグ開幕戦にも敗れるなど、苦しい船出となった21-22シーズンのセルティックにとって、ニューカマーの連続得点での２連勝は、これ以上ない展開だろう。新エース誕生には、現地からも称賛の声が相次いでいる。

　専門サイト『Football Insider』は、現役時代はリーズなどで活躍したノエル・ウィーランのコメントを紹介。同氏は、古橋のオフ・ザ・ボールにスポットを当て、「彼のパフォーマンスで僕が好きなのは、背後に積極的に走ることだ。ゴールシーンで、彼の動きがどれだけ賢いかがわかるだろう。２点目で彼は相手のDFを欺き、シュートのために相手の背後に侵入した」と、その質の高さを評価している。

　また同氏は、セルティックで公式戦313試合242得点という驚異的な記録を残したレジェンドFW、ヘンリク・ラーションになぞらえ、古橋を絶賛している。

「フルハシは本当にエキサイティングで、アメージングな新加入選手であるように思われる。セルティックはたった今、ニュー・ラーションとサインしたんだ。これがセルティックでの良いパフォーマンスの始まりに過ぎないことを願っているよ」
  　セルティックOBのムルド・マクレオド氏も、古橋には賛辞を送っている。同氏は英紙『THE SUN』のスコットランド版の取材に応え、「彼のスピードは脅威になる。ほとんどのチームに対して問題を引き起こせるだろう」とプレー面の印象を述べた上で、相手の視野外から最後はニアで合わせたダンディ戦の１点目を称賛している。

「１点目のDFからの逃げ方は、はっとさせるものだった。彼は、チームにはつらつとしたエネルギーを与えた。それは他の選手にも波及しうる」

　また、「今はまだ、彼を誰とも比較し始めることはできない。彼を彼自身でいさせるべきだ」として安易な比較には釘を刺しつつも、「フルハシはストライカーとしての性質において、ラーションを想起させる」と語った。

　移籍決定後は中村俊輔と比較され、２試合で４得点をあげた後にはラーションと比較される古橋。ハードルは上がる一方だが、与えたインパクト、そして期待の大きさは、早くもレジェンド級のようだ。

構成●THE DIGEST編集部