エポックメイキングな移籍が成立した。

　現地時間８月10日、パリ・サンジェルマンは、バルセロナを退団したアルゼンチン代表FWリオネル・メッシの獲得を発表した。2023年までの２年+１年の延長オプションの契約で、背番号は30に決定している。
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　８月５日にバルサ退団が発表されてからわずか５日での電撃移籍だ。いまだサッカー界の絶対的スターである男の動向は、17年夏に、同じくバルサからパリSGに移籍金億2200万ユーロ（約288億6000万円）で移籍したネイマールのそれを上回る衝撃だった。

　今夏のパリSGは、移籍市場においてド派手な動きを見せている。すでにセルヒオ・ラモス（←レアル・マドリー）、ジャンルイジ・ドンナルンマ（←ミラン）、ジョルジニオ・ヴァイナルダム（←リバプール）、アシフ・ハキミ（←インテル）を獲得。そして新たにメッシを加えたのだ。キリアン・エムバペやネイマールといった現有戦力たちを考えても、タレント過多とも言えるチーム構成である。

　2000年代初頭のレアル・マドリーを彷彿とさせる新・銀河系軍団の誕生は、世界に小さくないインパクトを与えた。では、彼らのライバルとなるリーグ・アンのクラブはどう捉えているのか。

「メッシたちが加わったことは、フランス・サッカー界にとって有益だ」

　そう語ったのは、古豪モンペリエのロラン・ニコラン会長だ。地元紙『La Gazette de Montpellier』で、「私にとって彼は世界でもっとも偉大な選手だ」とメッシを絶賛したうえで、他クラブが受ける“恩恵”を強調した。
  「フランス全土とリーグ・アンの全クラブが幸せになる。パリ・サンジェルマンがメッシを獲得したことで人が動く。それによって金銭的にもさまざまな利益が生まれるはずだ。メッシは多くの人に夢を与えるが、我々にとっても素晴らしい何かをもたらしてくれるよ」

　さらに「ネイマールが来た時も素晴らしい影響力があった」と語ったニコラン会長は、メッシの持つ絶大なる力に期待を寄せた。

「もちろん、パリ・サンジェルマンに簡単に勝たせたくはないし、メッシは私の選手ではない。だが、あの契約は本当に並外れたものだ。海外への放映権などを考えても、夢のある話なんだよ」

　バロンドールを６度受賞したクラックへの膨らみ続ける期待。それはパリSGのファンのみならず、彼らのライバルたちも例外ではないようだ。

構成●THE DIGEST編集部