海外サッカー

「公平じゃない!」パリSGの“大型補強”をマルセイユ指揮官は危惧「彼らは完全に支配した」

THE DIGEST編集部

2021.08.14

メッシの入団など繁栄を極めるパリSG。それに対してマルセイユのサンパオリ監督(右)は疑問を呈した。(C)Getty Images

 アルゼンチンが生んだクラックの移籍に世界が騒然とした。現地時間8月10日、パリ・サンジェルマンは、バルセロナを退団したアルゼンチン代表FWリオネル・メッシの獲得を発表したのである。
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 今夏のパリSGが獲得したスターはメッシだけではない。セルヒオ・ラモス(←レアル・マドリー)、ジャンルイジ・ドンナルンマ(←ミラン)、ジョルジニオ・ヴァイナルダム(←リバプール)、アシフ・ハキミ(←インテル)といずれも大物を引き入れている。

 キリアン・エムバペやネイマール、アンヘル・ディ・マリア、ケイラー・ナバスら現有戦力と合わせ、タレントの豊富さは世界でも指折りだ。リーグ・アンに限ってみれば、群を抜いている。

 そんな新・銀河系軍団の誕生には、フランスプロサッカー機構(LFP)のヴァンサン・ラブリューヌ会長が「フランス・サッカー界に最大の希望をもたらす」と話すなど好意的な意見がある一方で、懐疑的なコメントを口にする人物も少なくない。マルセイユを率いるホルヘ・サンパオリもそのひとりだ。

 かつてアルゼンチン代表時代にメッシを指導した61歳の智将は、現地時間8月13日に開かれた会見で、「レオ(メッシの愛称)がフランスに来たことは、リーグ・アンの国際的な注目度を考えればいいことだ」とコメント。そのうえで「ただ、力は時に正義よりも強いということが分かった」と持論を述べた。
 
「いつも差は力によって生み出されている。今日において力がルールよりも強くなっているのは明らかだと私は思う。レオのような世界最高の選手を入れることは、他クラブとの違いがさらに大きくなることを意味している。パリ・サンジェルマンの持つ予算の違いが、そのまま他クラブとの大きな違いになっているんだ」

 続けて、「誰もがパリ・サンジェルマンのおかげでフランス・サッカーを見るようになったのは事実だ」と強調。そして、こうも指摘している。

「公平性が失われていることも忘れてはいけない。現実問題として、彼らとは大きな差が生まれているんだよ。私はマルセイユや他の歴史あるフランスのクラブが、パリ・サンジェルマンと同じようにチャンスを得られることを願っているが、それも難しい。彼らは完全に支配している。この国のスポーツの歴史をね」

 2011年、カタール投資庁(QIA)の子会社であるカタール・スポーツ・インベストメント(QSI)に買収されて以来、瞬く間に飛躍を遂げたパリSG。もはや国内では敵なしとも言える現状を、サンパオリは悲観的に捉えているようだ。

構成●THE DIGEST編集部
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