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海外サッカー

メッシ加入で「世界最高選手」とのプレーを望む“余剰人員”たちがパリSG退団を拒否!? 一方でエムバペの移籍の噂は絶えず

THE DIGEST編集部

2021.08.18

メッシの加入でパリSGの前線は充実したが、余剰戦力が出たのも確かだ。(C)Getty Images

メッシの加入でパリSGの前線は充実したが、余剰戦力が出たのも確かだ。(C)Getty Images

 バルセロナを退団したリオネル・メッシと2年契約を結んだことで、一躍世界で最も注目されるチームとなったパリ・サンジェルマン。ネイマール、キリアン・エムバペとの前線トリオの揃い踏みを、世界中のサッカーファンが楽しみにしている。

 パリSGは欧州制覇を悲願とし、メッシも「もう一度チャンピオンズ・リーグで優勝したい」と語っており、両者の願望は一致。一昨シーズンに決勝まで進出した同クラブにとって、世界最高の選手の存在は、まさに栄光のパズルの「ラストピース」といったところだろう。

 しかし、そう簡単に事は進まないと考える者は少なくない。元フランス代表FWのティエリ・アンリもそのひとりで、彼は『Dimanche Soir Foot』で「最も大事なのはバランスだ」と主張。「人々はいつも、攻撃のベストプレーヤーについてばかり話しているが、バランスを保つ必要がある」と語り、さらに以下のように続けた。

「私がプレーしたバルセロナ(メッシ、サミュエル・エトーと前線トリオを形成)についても、人々は失点が少なかったことを忘れている。一般に、失点が少ないチームほどチャンピオンズ・リーグ制覇に近づけるものだ。天才的な選手がいれば、物事は容易にはなるが、パリSGの場合、失点が多くなりそうな気がする。彼らは選手を揃える必要があったのだろうが、最も大事なのはバランスだ」

 アンリは主に、ピッチ上での攻守のバランスの重要性を説いたが、クラブの財政的見地からの戦力バランスを保つことに苦心しているのが、パリSGのレオナルドSDだ。カタール政府の後ろ盾を持つ金満クラブとはいえ、メッシ加入で年間3500万ユーロ(約45億5000万円)+ボーナスという支出が生じる以上、別の選手の売却などで収支の“バランス”をとる必要がある。
 
 しかし、フランスの専門メディア『10sport』によれば、パリSGの“余剰人員”とされる多くの選手が今、移籍に難色を示すようになっているという。具体的には、ユリアン・ドラクスラーもそのひとりで、今年5月に契約を更新するも、新シーズンも主力メンバーとなるのは難しいと見られているドイツ代表アタッカーは、しかし「メッシと一緒にプレーしたい」という理由で、パリを去ることを拒否したと伝えられている。

 同メディアは「世界最高であるこのアルゼンチン選手と一緒にプレーするチャンスを、一体誰が自ら手放そうとするだろうか?」と綴っているが、一方でパリSGが何としても留める必要があるとされるエムバペについては、契約更新は難しいとの報道もあり、また移籍の噂もいまだ消えていない。大本命とされるレアル・マドリーの他、リバプールにも獲得の可能性があるとして、各国メディアを賑わせている。

 レオナルドにとっては、非常に頭の痛い状況であるようだが、トーマス・トゥヘルの解任やチアゴ・シウバの退団で評価を落とした感のあるブラジル人SDは、クラブの最高のバランスを保つことができるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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