レアル・マドリーからのレンタルプレーヤーとして３シーズン目に突入した久保建英。２シーズンぶりに復帰したマジョルカでは、加入発表から３日目にして早くもピッチに立った。

　61分からのプレーとなった再デビュー戦、相手のベティスが攻勢を強めた時間帯での出場ということで、さほど多くの攻撃的プレーには絡めず、現地メディアの評価もあまり高いものとはならなかったが、後日マドリードのスポーツ『AS』は、ベティス戦の74分に久保がポール・アクオクのタックルをかわし、背後からチャージを受けても堪えてドリブルで持ち込んだ場面を取り上げ、「ハイレベルな個人技を見せた」と称賛した。

　同メディアはまた、「久保の才能に疑いの余地はないが、フィジカルの強さとデュエルでのタフさにおいても進歩が見られた」と評し、「マドリードでは、ベティス戦での彼のプレーが好まれている」と綴った。この“強さ”の部分については、マドリーの専門メディアである『Defensa Central』も言及し、「久保はフィジカル強化に取り組んでおり、非常に強くなっていることを示した」と報じている。
  　加えて同メディアは、「東京オリンピックにおける日本代表としてのプレーは、久保がマドリーでカルロ・アンチェロッティ監督の指導を受けるのに十分な能力と才能を備えていることを証明した」とも記しているが、一方で今マドリーに戻ってもサブメンバーとなるのは確実であり、継続してのプレー機会を得るためにレンタルに出されているとも指摘する。

「マドリーは、いずれ久保が『エル・ブランコ』に加わることを望んでいるが、現時点で彼は、フロレンティーノ・ペレス会長とアンチェロッティ監督を納得させなければならない。マドリーでの居場所を得るには、マジョルカで良いシーズンを過ごすか否かが鍵を握っており、久保もこれを十分に理解している」

　同メディアは、20歳の日本人選手の能力を認めながらも、マドリー復帰に向けてのハードルは決して低くないことを強調しており、前述の『AS』紙もアンチェロッティ率いるマドリーが、若手選手にとっては非常に厳しい環境であるとの論調を示している。