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海外サッカー

「何とも皮肉なことだが」南野拓実、駒不足のMFでの起用を現地メディアが示唆「ついに本領を発揮するかも」

THE DIGEST編集部

2021.11.02

リバプールのMFは故障者だらけ。南野に出番が訪れるかもしれない。(C)Getty Images

リバプールのMFは故障者だらけ。南野に出番が訪れるかもしれない。(C)Getty Images

 現地時間10月30日のブライトン戦で87分からピッチに立ったリバプールの南野拓実。10戦目にして、ようやく今季のプレミアリーグ初出場を果たした。

 本拠地アンフィールドで2-2の引き分けに終わったこの一戦、負傷したカーティス・ジョーンズと交代した南野は中盤の一角としてプレーしたが、この理由としてMFの選手層の薄さが挙げられていた。実際、交代枠の選手を見ると、MF登録の選手はアレックス・チェンバレンと18歳のタイラー・モートンだけで、前者は前半に負傷退場したナビ・ケイタに代わっており、慎重なユルゲン・クロップ監督にとって最後の一枠を十代のユース兼任選手に使うことは難しかっただろう。

 リバプールといえば昨季、フィルジル・ファン・ダイクをはじめとして多くのDF選手が戦線を離脱して深刻な駒不足に苦しんだことが記憶に新しく、今季は同じ状況を回避するためにイブラヒマ・コナテを獲得した他、若い選手の台頭などによって充実した陣容を誇っているが、対照的に現在はMFが同様の事態に陥ろうとしている。ブライトン戦の前、クロップ監督は「シーズンが始まった時、MFは8人いたが、現在は4人しかいない」とこぼしていた。

 すでに、ファビーニョ、チアゴ・アルカンタラ、ジェイムズ・ミルナー、ハーベイ・エリオットが負傷者リストに名が記されていた状態で、さらにこれにケイタとジョーンズが加わったMF陣について、リバプールの専門メディア『THIS IS ANFIELD』は「4人が怪我をしやすく、2人は経験不足、そして1人は大ベテラン。問題はクオリティーではなく、安定性と持続性にある」と厳しい現状を指摘している。
 
 このような状況で、11月3日にチャンピオンズ・リーグでアトレティコ・マドリーと対戦することになるが、同メディアはファビーニョ、チアゴの復帰があり得るとしながらも、モートンは「トップチームでも有用な存在へとステップアップできる」とし、南野についても「縁のなさそうと思われたポジションでついに本領を発揮するかもしれない」とメンバー入りの可能性を示唆。同時に、「20歳の創造的なMFエライジャ・ディクソン=ボナーが我々を驚かせるかもしれない」とも綴っている。

 同じくクラブ専門メディアの『LIVERPOOL.COM』は、MFの層の薄さをカバーする策としてCBジョエル・マティプ、SBトレント・アレクサンダー=アーノルドのコンバート案を挙げた他、南野については「FWとして出番が少ないのに、MFとしてプレー時間を伸ばすとしたら何とも皮肉なことだ」としながらも、彼がレッドブル・ザルツブルクでの5年半において中盤でプレーした経験が豊富であることに注目。「このまま危機が続く場合、有効なオプションとして攻撃的MFとして多く起用される可能性がある」と予想した。

 一方、リバプールの地元紙『Liverpool Echo』は、CLで3連勝と独走状態であることを鑑みて、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノの温存による南野のFW起用の可能性を示唆。同メディアは別の記事で、来る冬の移籍市場でレスターのハービー・バーンズらウイングの補強を画策していると報じており、これが南野に及ぼす影響も注目されるが、緊急事態下での中盤起用が実現した場合、彼のキャリアにいかなる影響を与えるかも同様に、非常に気になるところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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