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南野拓実のカラバオ杯決勝で出番なしも指揮官からは称賛の言葉。一方、クラブOBは「主力のレベルにない」と厳しい指摘

THE DIGEST編集部

2022.03.01

決勝では出番がなかった南野。チームメイトには溶け込んでいるようだが、大一番でチャンスを与えられないことに、本人は忸怩たる思いだろう。(C)Getty Images

 現地時間2月27日、カラバオ・カップ決勝がウェンブリー・スタジアムで行なわれ、リバプールが0-0からのPK戦でチェルシーを下し、10年ぶり9回目(史上最多)の優勝を飾った。

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 8万5000人の観衆を集めた一戦、互いに一歩も譲らぬ激戦を展開し、後半にセットプレーからリバプールがジョエル・マティプのヘッド弾でネットを揺らすも、直前のフィルジル・ファン・ダイクがVAR検証の末にオフサイドをとられて取り消し。チェルシーもカイ・ハベルツやロメル・ルカクがシュートを相手ゴールに突き刺したが、こちらもオフサイド判定(後者はVARによる)を下され、両者ともにスコアを動かせないまま、120分間を終えることとなった。

 PK戦となると、今度は互いにノーミスでゴールを決め続け、ついに11人目のGK対決へ。先攻のリバプールはクィービーン・ケレハーが成功したのに対し、PK戦に備えて120分からエドゥアルド・メンディに代わってゴールマウスの前に立ったケパ・アリサバラガのシュートは大きくクロスバーを越えてしまうという、チェルシーにとっては何とも皮肉な形で勝負は決した。
 
 世界王者を抑えて今季初タイトルを手にしたユルゲン・クロップ監督は試合を振り返り、「序盤は良かったが、その後は我々が主導権を握り、より良くなった。後半、チェルシーが幾度かチャンスを作ると、我々が再び立て直し、最後は全員が疲弊した。そして、これまでで最もスペクタクルなPK戦のひとつになった。このような形で優勝できたのは、本当に素晴らしい」と満足感を示した。

 また、「チームシートにもっと多くの選手の名があれば完璧だった」と語り、チーム全体の勝利であることを強調した指揮官は、「タクミとディボック(オリギ)がいなかったら、また2人のゴールがなかったら、我々はここにいなかっただろう」と具体的な選手の名前を挙げ、その貢献を称賛している。

 南野拓実は、カラバオ杯では初戦のノリッジ戦で2ゴールを挙げて勝利の立役者になると、続くプレストン・ノースエンド戦でも決勝点、準々決勝レスター戦では土壇場で値千金の同点ゴールを決める(PK戦では5番手で失敗したが……)など、勝ち上がるうえで絶大な存在感を示した。準決勝アーセナル戦ではゴールはなかったものの、このコンペティションでは全試合でピッチに立ってきたが、残念ながらこの決勝でクロップ監督から声がかかることはなかった。