2019年夏にレアル・マドリーに移籍して以降、マジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェ、そして再びマジョルカと、レンタル選手として３シーズン目を過ごしている久保建英。今季はここまで、主力としてラ・リーガ21試合に出場し、１部残留に向けて懸命にプレーしている。

　そんな彼の去就については、現地でも様々な憶測が流れ、現地メディアもそれぞれ異なる報道をしているが、デジタル新聞『EL ESPANOL』はまだ何も決まっていることはなく、「来季、マドリーの白いユニホームを着てプレーすることを望んでいる若きMFにとって、この数か月の出来が鍵になる」と指摘した。
  　マドリーは今夏、パリ・サンジェルマンのフランス代表FWキリアン・エムバペを獲得し、同時に余剰戦力を一気に放出すると言われ、その中に久保も含まれているとの報道もあるが、同メディアは「日本のタレントが夢見る、エル・ブランコのトップチームでのプレーというシナリオが来季に実現する可能性は十分にある」とし、「今夏がキャリアのターニングポイントとなるかもしれない」とも予想している。

　今季の久保については、「これまでのところ、朱色のチームの主力であり、最高の選手のひとりとしての地位を確立している。キャリアの最初から、チームでの重要な役割を担っているものの、経験を積んで、より力強さを増している。今季、テクニカルな問題で欠場したのは１試合だけで、その他は右膝半月板損傷によるものだった。ハビエル・アギーレ監督に交代してからは、まだ役割を与えられていないが、残留争い中のマジョルカでチームの軸のひとりであり続ける」とポジティブに評した。

　マドリー復帰に向けての条件としては、「マジョルカをリーガに留められ続けるかどうかが大きな鍵を握る」と指摘する同メディアは、またもうひとつのポイントとして、日本代表での活躍を挙げる。

　昨夏は東京オリンピックの日本代表選手として活躍した彼は、A代表に昇格して、次は今年11月のカタール・ワールドカップで招集を受けるのを待っているが、ここでスペイン代表と対戦することが決定していることから、スペイン国内での彼への注目が今後より増していく中、クラブレベルだけでなく、代表レベルで活躍を見せることも、マドリーを説得する上で非常に効果的であるということだ。