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「損な役回り」を担う南野拓実の代役探しは困難!? リバプール専門メディアが指摘する問題とは?

THE DIGEST編集部

2022.04.06

今季はカップ戦で9得点を挙げている南野だが、リーグ戦では計90分の出場にとどまっている。今夏の移籍市場での動きにも注目が集まっている。(C) Getty Images

 現地時間4月5日に行なわれたチャンピオンズ・リーグ(CL)の準々決勝のファーストレグで、リバプールは敵地でベンフィカ相手に3-1の勝利を飾り、4強入りに向けて大きく前進したが、この試合でベンチに入った南野拓実に出番は訪れなかった。

 FAカップ準々決勝のノッティンガム・フォレスト戦に交代出場で27分間プレーして以降、公式戦2戦連続でユルゲン・クロップ監督から声がかかっていない日本人アタッカー。2月以降では、全15試合中10試合で出場なし(3試合はベンチ外)と、厳しい日々が続いている。

 今季はカラバオ・カップ、FA杯で結果を残し、ここまで9ゴールをマーク。出場試合数から見た得点率はチームでもトップクラスであり、カラバオ杯では決勝戦こそ出番がなかったものの、タイトル獲得の殊勲者のひとりとして評価もされているが、一方でプレミアリーグでは31節を終えた段階でも、10試合の交代出場で合計プレー時間は90分強に止まっている。
 
 モハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノの「フロント3」にジョオゴ・ジョッタを加えた「ビッグ4」、これに今年の冬の移籍市場でルイス・ディアスがポルトから加入した状況で、南野やディボック・オリギ(今季5得点)ら「バックアップ組」の序列は下がる一方であるが、これはリバプールFW陣の層の厚さ、そして今季のこのチームの強さの要因を示してもいると言われる。

 クラブ専門メディア『LIVERPOOL.COM』は「南野、オリギの存在なくして、主要な4つのコンペティション制覇の可能性を残すことはなかった」と、彼らのここまでのチームへの貢献を評価しており、「バックアップということで、リバプールにとっては彼らが退団したとしても大きな損失にはならないと思われがちだが、クラブが成功を継続したいのであれば、彼らのレベル以上の選手の補強が必要となる」と指摘する。

 この「合計2100万ポンド(約34億円)の価値があるデュオ」の去就については、「両方が新天地を求めることで、リバプールが今夏にここまでの時代を締めくくることになるかもしれない」と移籍を予想。南野には、冬の移籍市場でも彼に関心を寄せた同じプレミアリーグのリーズやリーグアンのモナコ、さらにはラ・リーガのセビージャといった候補が挙がり、オリギについてはインテル、ミランが争奪戦を繰り広げる可能性があるという。

 そうなれば、同メディアが主張したように「彼らのレベル以上の選手の補強が必要となる」が、これがなかなか簡単なことではないという。「ビッグ4」+L・ディアスという顔ぶれを擁するチームに、「5番目の選択肢」を受け入れて加入する有力選手はまずいない。また、いたとしても、その中でアンフィールドのピッチで違いを生み出せる選手はほんのわずかだということだ。

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南野の代役となり得る数少ない候補に挙げられる選手は?