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海外サッカー

「全く南米は楽じゃない!」エムバペの“失言”にブラジル代表MFらが怒りの猛反論「ヨーロッパがトップレベルとは限らない」

THE DIGEST編集部

2022.05.26

パリSGとの契約延長で話題となったエムバペ。彼の率直な意見が物議を醸している。(C)Getty Images

パリSGとの契約延長で話題となったエムバペ。彼の率直な意見が物議を醸している。(C)Getty Images

 去る5月21日にパリ・サンジェルマンと2025年6月までの新契約を締結したキリアン・エムバペ。契約満了を迎える今夏でのレアル・マドリー移籍が既定路線と見られてき23歳の決断は、世界に小さくない驚きを提供した。
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 そんなヤングスターの“ある発言”が波紋を広げている。事の発端となったのは、5月23日(現地時間)に南米全体にネットワークを持つアルゼンチンの放送局『TNT Sports』のブラジル版で公開されたインタビューでのコメントだった。

 エムバペは、インタビュアーから「今年のカタール・ワールドカップで優勝候補になる5チームを教えてください」を問われ、「そりゃあ、もちろん一番はフランスだよ」と笑顔で回答。そして続けざまに、こう論じたのだ。

「ヨーロッパのいくつかのチームも候補になると思う。僕らには常にハイレベルの試合をプレーしているというアドバンテージがあるからね。たとえば、UEFAネーションズリーグとかね。ワールドカップになっても僕らは準備ができている。でも、アルゼンチンやブラジルはそのアドバンテージがないでしょ。南米ではヨーロッパほどサッカーが進んでいないから、過去の大会を見ると、常にヨーロッパ勢が勝っている」

 本人にしてみれば、ヨーロッパの競争力の高さを強調したいだけだったのかもしれない。しかし、このフランス代表FWが公の場、それも南米の放送局で放った率直な意見は、SNSなどを通じてあっという間に拡散されると、“失言”として南米でプレーする選手たちの怒りを買った。
 
「それは違う。全く簡単なんかじゃない!」

 そう反論したのは、リバプールに所属するブラジル代表MFのファビーニョである。かつてモナコでエムバペとプレーした経験を持つ28歳は、米スポーツ専門局『ESPN』の取材に対して、次のように強調した。

「フランスがボリビアでプレーしたことがあるかは知らないけど、ああいう場所で僕らは戦わないといけないんだ。たしかにヨーロッパほど各チームの質は高くはないかもしれないけど、彼(エムバペ)が言うほど、南米でプレーするのは簡単じゃないよ。もしも、アルゼンチンとブラジルがヨーロッパ予選を戦えていたなら、あっという間に予選を通過して、ワールドカップの優勝候補になるさ」

 また、現役時代に31クラブを渡り歩いた経験を持つ“ジャーニーマン”も欧州の俊英に苦言を呈している。元ウルグアイ代表FWセバスティアン・アブレウは、「ヨーロッパ勢がワールドカップで勝つのは、そもそも行けるチームが多いからだ」と断じた。

「いったいフランスにいくつのタイトルがあるっていうんだ。EUROでさえ15回も勝っていないだろう? ウルグアイはワールドカップが2回で、コパ・アメリカは15回も勝っているんだ。エムバペはどうやらウィキペディアから見直してきた方がいいね。ヨーロッパでプレーしているからといって、ヨーロッパがトップレベルとは限らない」

 南米勢から猛反論を受けてしまったエムバペ。これらを本人が耳にしているかは定かではないが、いずれにしても物議を醸した言動は軽率だったと言わざるをえない。

構成●THE DIGEST編集部

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