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海外サッカー

欧州王者撃破でメッシは手応え! アルゼンチン国内では“南米軽視”のエムバペに手厳しい反論も「“嘘”を終わらせてやろう」

THE DIGEST編集部

2022.06.03

かつてマラドーナも手にした大会で強烈なインパクトを残したメッシ。母国にタイトルをもたらしたエースは、W杯制覇にも自信を漲らせる。(C)Getty Images

かつてマラドーナも手にした大会で強烈なインパクトを残したメッシ。母国にタイトルをもたらしたエースは、W杯制覇にも自信を漲らせる。(C)Getty Images

 現地時間6月1日、EURO2020とコパ・アメリカ2021のそれぞれの王者によって雌雄を決する「フィナリッシマ」がイングランドのウェンブリー・スタジアムで行なわれ、アルゼンチン代表が3-0でイタリア代表を下した。

 かつて「アルテミオ・フランキ・トロフィー」という大会名で2試合が行なわれ、1985年にミシェル・プラティニ率いるフランスがエンソ・フランチェスコリら名手揃いのウルグアイを2-0で撃破。1993年にはディエゴ・マラドーナが代表復帰したアルゼンチンが1-1からのPK戦(5-4)の末にEURO1992でユーゴスラビアの代替出場から奇跡の優勝を飾ったデンマークを破っていた。

 そんな歴史を持つ大会が29年ぶりに大会が復活したのである。過去2大会同様、スター選手が多く出場したこの聖地での一戦、とりわけ強い輝きを放ったのは、34歳のリオネル・メッシ。アルゼンチンの背番号10は、今ひとつに終わったクラブでの鬱憤を晴らすかのように鋭いプレーを連発し、堅守で鳴らすイタリアのDF陣をしばしば翻弄。28分には左サイドを切り裂いてラウタロ・マルティネスにクロスを合わせて先制し、後半アディショナルタイムにもボールをキープし続け、パウロ・ディバラのダメ押し点をお膳立てしている。

 前半アディショナルタイムに生まれた2点目も、カウンターからL・マルティネスのコース、タイミングともに文句なしのスルーパスを受け、アンヘル・ディ・マリアが軽くボールを浮かせてゴールネットに突き刺した秀逸のもの。敵陣での攻撃力だけでなく、凄まじいプレッシャーをかけてイタリア代表DFからボールを奪取する様は、ひと際、アルゼンチン代表の強さと勢いを際立たせた。
 
 リオネル・スカローニ監督率いる「アルビセレステス」は、これで32戦無敗(21勝11分け)を達成。これは1991~93年におけるアルフィオ・バシーレ体制下での記録(31試合※FIFAの認可を受けていない2試合を除外)を29年ぶりに更新するもので、今回破ったイタリアが昨年に樹立した37試合という世界記録の更新も期待される。

 好調ぶりを示しているアルゼンチンだが、指揮官は「我々は成熟を続けており、それは強大なライバルに対しては重要なことだ。今日は予想通り、時々苦しんだものの、良い試合ができた。思った通りにやれたと思うし、非常にうまくいった」と満足感を示す一方で、「カタールW杯での優勝候補筆頭」という声には「我々は、実際にW杯を勝ち取った国と比べれば、優勝候補ではない。我々は良いチームではあるが、W杯は別物だ」と、謙虚さと慎重さを失っていない。

 一方、自身A代表で2つの目のトロフィーを手にしたメッシは、「この集団は、プレーに改善を続け、変化を加えるなどの良い仕事を果たしながら、今も成長の度合いを増している。今日の試合は、僕らが何に対しても、常に地に足がついた状態で、謙虚の姿勢を保ち、準備ができていることの証明だった。僕らは、どんなチームとも対戦する準備ができている」と胸を張り、さらに以下のように続けている。

「僕たちには、互いに強みを引き出し合う力がある。だから、どの試合でも、特に今日はそのようなプレーができた。全ての選手が平等の立場にあり、特別扱いはされないため、ポジションをめぐる競争は、細かい部分で勝敗が決することもある」
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