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久保建英の新天地候補ソシエダはなぜ三たび関心を寄せたのか? スペイン各紙が報じる“ラ・レアル”の本気度と移籍のメリットとは

THE DIGEST編集部

2022.06.23

去就が注目される久保。噂に上がるレアル・ソシエダへの移籍は実現するのだろうか。(C) Getty Images

 レンタル先であるマジョルカでの1シーズンを終え、来季の去就が注目されている久保建英。2024年までの契約を交わしている所有元クラブであるレアル・マドリーへの復帰は難しいため、"武者修行"の継続が既定路線といわれてきたが、一方で売却の可能性も現地メディアからは示唆されている。
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 そんな中、近年はラ・リーガでも安定して上位につけ、コパ・デル・レイの優勝(2019-20)や欧州カップ(ヨーロッパリーグ)出場も果たしている「ラ・レアル」ことレアル・ソシエダが、この21歳の日本人選手の獲得に本腰を入れていると、マドリードのスポーツ紙『AS』が報じた。

 2度目のマジョルカでのシーズンで今ひとつ結果を残せず、またヴィニシウス・ジュニオールのスペイン国籍取得の遅れによってEU圏外枠が埋まっている現状で、「久保がよりフィットしやすい攻撃的でポゼッションを重視するチームにおいて、幅広い挑戦ができる環境で彼を試したい」と考えるマドリーは、「より高いレベルのチームに彼を貸し出すことを希望している」という。

 マドリーは以前にもこの試みを実行しているとのことであり、2019年のマジョルカへの最初のレンタルで「目覚ましい成果を上げた」ことで、翌シーズンによりレベルが高く、欧州カップ戦出場権も得ていたビジャレアルでさらなる成長を遂げさせることを狙ったものの、この時はウナイ・エメリ監督がジェレミー・ピノらアカデミー出身の選手を重用したこともあり、シーズン途中でヘタフェに転入したことは周知の通りである。

 ソシエダについては「夏の移籍市場で彼らが久保に関心を示して獲得しようとしているのは、これで3回目である。ロベルト・オラベSDは、久保のレベル、進歩の度合い、将来性を評価し、この先、その才能を開花させて素晴らしい選手になると確信している」と、このバスクのクラブの本気度を強調している。

 一方、同じマドリードのスポーツ紙『MARCA』も同じくソシエダの関心を報じ、彼らの攻撃的なプレースタイル、ポルトゥ(ヘタフェへレンタル)、アドナン・ヤヌザイ(契約満了)ら攻撃選手の退団という状況が、久保獲得を後押しするものだと指摘するが、こちらは「サンチャゴ・ベルナベウの主が理想としているのは、低コストでのレンタル、もしくは手頃な価格で買い戻せる条項を含んだ売却である」と完全移籍も選択肢に挙げている。

 同メディアは、2013年にマドリーがサンパウロから獲得したカゼミーロをポルトにレンタルした際、買い取りオプションとともに買い戻しオプションも含んだ契約を結んだことで、彼の2013-14シーズンの活躍ぶりを認めたポルトがこれを行使しようとした際、マドリーも買い戻しに動いたという事例があるが、これが来季の久保にも当てはまるとしている。
 
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