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マドリーのレンタル効果に疑問の声も。遅々としながらも進む久保建英のソシエダ行きを地元メディアはどう見る?

THE DIGEST編集部

2022.07.01

マジョルカで研鑽の日々を送った久保。来季も保有元のマドリー以外でのプレーが濃厚視されるなかで、ソシエダとの交渉の行方に熱視線が送られている。(C)Getty Images

 レアル・マドリーのレンタルプレーヤーとして3シーズンを終えた久保建英の去就が注目を集めている。

 多くのクラブが関心を示しているといわれる21歳の日本人選手に対し、真っ先に手を挙げたのは過去2度、彼の獲得に動いたレアル・ソシエダ。イマノル・アルグアシル監督の下、ラ・リーガで上位を定位置として、欧州カップ戦の常連にもなっているバスクの名門は、久保の成長を願うマドリーにとっても最適な環境だと思われる。だが、交渉は難航しているようだ。

 原因は、ソシエダが完全移籍での獲得を望んでいるのに対し、マドリーがあくまでも1年間のレンタルを前提にしているためだ。マドリーの専門サイト『Defensa Central』などによれば、ソシエダが3年前にMFマルティン・ウーデゴーを2年間のレンタルでマドリーから借り受けた際、初年度で彼が活躍すると、2年目を待たずして都合良く連れ戻されてしまった過去を忘れておらず、この二の舞を避けるためにも完全移籍を望んでいる。
 
 対して、久保を将来的な戦力として捉え、また商業的な見地からも重要視しているというフロレンティーノ・ペレス会長らマドリー首脳陣はこれを受け入れず。交渉は膠着状態に入っており、打ち切りと報じているメディア(『Defensa Central』もそのひとつ)も存在する。

 だが、一方でサッカー専門サイト『FICHAJES FUTBOL』は「クボはレンタルでもソシエダでのプレーを目指しており、引き続き"入札"は進んでいる」と記し、遅々としながらも彼はバスク行きの方向で進んでいるとした。

 バスクの地元紙『Noticias de Gipuzko』も「現時点で交渉は停滞しているが、ソシエダのロベルト・オラベSDには、これをまとめる自信がある。夏はまだ始まったばかりで、交渉は順調に進んでいるが、まだやるべきことはたくさんある」と現状を伝え、スペインのサッカー専門サイト『El Desmarque』は「明らかなのは、『ラ・レアル』はアルグアシル監督をも魅了したクボを欲しがっているということであり、マドリーのペレス会長は彼の将来について決断を下す必要がある」と指摘している。
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