日本代表

3試合セットで「分析、準備、采配」の不安を露呈…森保“兼任監督“はそろそろ無理があるのでは?

清水英斗

2019.11.20

ベネズエラに負けたこと自体は想定の範囲内だが、分析、準備、采配について、森保ジャパンには大きな不安がある。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 国際親善試合のベネズエラ戦、日本代表は1-4で大敗し、大きなブーイングを浴びた。

 試合の前から嫌な予感はあった。来年3月からカタール・ワールドカップ南米予選が始まるベネズエラにとって、日本戦はチーム作りの総仕上げにあたる。6月のコパ・アメリカ以降、ベネズエラは新戦力の組み入れを順調に進めており、直近の試合ではコロンビアに0-0で引き分け、ボリビアに4-1で勝利、トリニダード・トバゴに2-0で勝利など、結果、内容共に充実していた。普通に強い相手だ。

 一方、今回の森保ジャパンは、ベストメンバーではなく、テストメンバーだった。キルギス戦後に南野拓実や吉田麻也ら欧州組の主力をクラブへ返し、初招集4人を含む国内組のJリーガーを招集している。元々ベネズエラは、昨年に日本で対戦したとき、森保ジャパンがフルメンバーで戦ってようやく1-1で引き分けた相手だ。テストメンバーでは分が悪い。

 2次予選を順調に進めたA代表にとって、これから最終予選までの1年弱は、新戦力を積み上げる時期になる。アジアカップ後も、鎌田大地や橋本拳人、永井謙佑など一部の選手は起用されたが、今後はE-1選手権、あるいは東京五輪を経て、選手がより広く発掘されることになる。ベネズエラ戦はその本格的なスタートであり、あまり結果にヒステリックになる必要はない。
 
 とはいえ。とはいえ、だ。

 もう少しベネズエラに対し、準備を出来なかったものか。彼らは空中戦に強いチームであり、過去の試合を見ても、サイドからのクロスで多くの得点を生み出していることは明らかだ。それに対する備えは充分だったのか。

 たとえば8分に先制を許した場面、ジェフェルソン・ソテルドがボールを持ったとき、室屋成は横向きになり、極端なワンサイドカットで縦に誘う1対1の体勢だった。加えて、中のドリブルコースには橋本が立っているので、ソテルドは縦しか進む方向がない。

 ところが、その誘っているはずの縦に仕掛けられると、室屋は一歩遅れた。切り返しからクロスを上げられ、佐々木翔に競り勝ったサロモン・ロンドンにあっさりとヘディングシュートを決められてしまう。