今月20日から開幕するカタール・ワールドカップ。様々な魅力や興味を秘めたサッカー世界最高峰の戦いだが、今大会が最後となるであろう名手たちがいかなるパフォーマンスとドラマを見る者の脳裏に刻み込んでくれるか、という期待もそのひとつである。

　イタリアの大手スポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、「カタールで最後のW杯を戦う10人の“チャンピオン”たち」という企画において、代表チームだけでなく、クラブのトップシーンでも長年にわたって大活躍を見せ、実績を残してきたスーパースターの選手たちを取り上げた。

【PHOTO】メッシ、ロナウド、レヴァンドフスキ…世界で活躍するフットボーラー30選！ 　同メディアは、この中東で初めて開催される2022年の大会では、1980年代生まれのチャンピオン、つまり世界的な実績と名声を手にした選手たちのほとんどにとって最後の大舞台となると予想（４年後の大会では1989年生まれでも37歳になるので、これは正しいだろう）。そして、2008年以降のバロンドール受賞者も全て、その中に含まれており、まさにこれまでのサッカー界を牽引してきたスターの集大成となる大会である。

　2008年の受賞者であり、以降４回も選出されたのが1985年生まれのポルトガル代表FW、クリスチアーノ・ロナウド。同メディアは、「彼の最高の大会は、４位に輝いた2006年ドイツ大会。若い才能ととともに、この記録を更新できるかもしれない」と、37歳の歴史的なゴールスコアラーの世界制覇の可能性を示唆した。

　そのロナウドと世界一の選手の座を長く争い、ライバルを上回る7回のバロンドール受賞を成し遂げた1987年生まれのリオネル・メッシ。「ディエゴ・マラドーナが世界制覇を成し遂げてから１年後に生まれた『レオ』は、ロシア（2018年大会）ではアルゼンチン代表の最も悲しいバージョンのソリストだったが、今回はミロンガのように強烈に、最後の本物のダンスに耽る」と、偉大な母国の先人と肩を並べることに期待を寄せている。

　2018年、クロアチアをW杯決勝に導いたルカ・モドリッチは同年の欧州最優秀選手であり、９月で37歳になったが、「それほど長くプレーしているようには見えない」と指摘されるほど、いまだに躍動感に溢れる。「誇り高きキャプテンは、ロベルト・プロシネツキやデヤン・サビチェビッチのように、80年代のプレーメーカーのような働きを見せる。そして、クロアチアには４年前のように組織としての強さがある」と、同メディアはこの名手の戴冠の可能性に関しても否定しない。

　そして、記憶に新しい今年のバロンドール受賞者となったカリム・ベンゼマ。今大会決勝（12月18日）の翌日に35歳となるフランス代表は、本来ならば前回大会で優勝メンバーの一員となっていたはずだが……。６年間の空白期間を終えて昨年のEUROでレ・ブルー復帰を果たした彼にとって、カタールW杯は「キャリアの最も重要な賭け」となると同メディア。世界王者として誕生日を祝えるか。