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「試合に出るのはおかしい」4か所も骨折していたソン・フンミンに主治医も仰天! 鎮痛剤打てずも「国民を誰よりも思っていた」【W杯】

THE DIGEST編集部

2022.12.09

韓国をプレーとメンタリティーで牽引したソン・フンミン。そんな気骨溢れるプレーの裏では故障との闘いを余儀なくされていた。(C)Getty Images

 激闘の舞台裏で、"アジアの虎"を牽引するカリスマは、ひとり苦悩を続けていた。

 去る12月5日(現地時間)、韓国代表はカタール・ワールドカップの決勝トーナメント1回戦でブラジル代表と対戦。序盤から流麗なパスワークと個人技に圧倒されて1-4で敗戦。20年ぶりのベスト8進出の夢は儚く散った。
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 それでも彼らは高い評価は得ている。難敵揃いだったグループHをポルトガル代表との最終戦で、後半アディショナルタイムの劇的弾によって2位通過。大会前に国内でも強まっていた早期敗退の予想を覆したのである。

 そうしたなかで、精神的支柱としてチームを牽引したのが、ソン・フンミンだ。主将としてピッチ内外で存在感を発揮した30歳は無得点に終わったが、全試合に先発フル出場。局面で身体を張った闘志あふれるプレーを見せた。

 もっとも、大会直前に左目周辺の眼窩骨折をしていたソン・フンミンは決して万全なコンディションではなかった。韓国のニュース放送局『YTN』の番組に出演した同国代表のチームドクターだったワン・ジュンホ氏は、「ソンは誰よりも強い意志を持っていた」と語り、「彼は頬骨のあたりを4か所も骨折していた。うち3か所は固定し続けないといけなかった」と告白した。

「彼は『走る時には痛みはない』と言っていたが、医者の観点からみれば、術後から3週間足らずで試合に出るのは本当におかしいと思った。でも、彼を止めることは誰も出来なかった。国民のことを誰よりも考えていたし、『プレーするんだ』という意思が強かった」
 
 さらに今大会中はドーピングへの懸念から鎮痛剤も効果的なものが打てなかったというソン・フンミン。そんなカリスマについてワン・ジュンホ氏は「辛かったはずなんだ」と吐露。そして、こう続けた。

「普通は鎮痛剤のような強い薬を術後2~4週間は使うんだ。でも、ソン・フンミンは、ドーピングや薬物検査の関係で使えなかった。手術当日だけ麻酔薬を1回だけ使って、その後は一番弱い鎮痛剤であるタイレノールだけを飲んで痛みに耐えていた」

 痛みに耐えながら、国民のためにと奔走したソン・フンミン。そんなタフさも彼の偉才ぶりを物語っている。

構成●THE DIGEST編集部

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