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PK戦でビッグセーブを連発! オランダとの“死闘”で魅せたアルゼンチン守護神が心境を告白「僕らには根性と情熱があった」【W杯】

THE DIGEST編集部

2022.12.10

重圧のかかったPK戦で好セーブを連発したマルティネス。彼の奮闘なくしてアルゼンチンの勝利はなかった。(C)Getty Images

 栄光の階段をまたひとつ駆け上がった。

 現地時間12月9日、アルゼンチン代表はカタール・ワールドカップの準々決勝でオランダ代表と対戦。互いに点を奪い合って2-2で120分を闘い抜き、迎えたPK戦を制して準優勝に終わった2014年大会以来となるベスト4に駒を進めた。

 10番を背負うリオネル・メッシの1ゴール、1アシストの活躍もむなしく、オランダの猛反撃に遭い、同点とされてしまったアルゼンチン。この苦しい状況下でチームを救ったのは、30歳の守護神だった。

 オランダの先行で迎えたPK戦で、エミリアーノ・マルティネスは相手の1番手であるフィルジル・ファン・ダイクの左横へのシュートを横っ飛びでストップすると、2番手のステフェン・ベルハウスのキックもセーブ。チームに流れを呼び込んだ。

 マルティネスのビッグセーブもあって勢いづいたアルゼンチンは、3人連続で成功。4人目のエンゾ・フェルナンデスは外してしまったものの、5人目のラウタロ・マルティネスが危なげなく決めて死闘を制したのである。

 欧州の高き壁を越えたアルゼンチン。そのなかで母国紙『Ole』が「最も熱くなる瞬間に、誰よりも冷静だった男。彼こそヒーローだ」と絶賛する出色のビッグセーブで窮地を救ったマルティネスの存在は際立っていた。
 
 オーストラリアとの決勝トーナメント1回戦後に、「メッシはアルゼンチンの99.9%を占めている。どんな時も経験豊富な彼に救われてきた。だからこそ、彼がうまくいかなかった時には残りの0.1%である僕らが彼を助けるんだ」と苦境を残り越えてきた"偉才"への想いを打ち明けていた30歳の守護神は、オランダとの試合後に、強い口調でこう語った。

「とても感情的になってるね。今日、僕たちは4万5000人ものアルゼンチン・サポーターの前でプレーした。いま人々は経済的に良い時期にないのは分かっているから、彼らに喜びを与えることは素晴らしいことだ。

 90分間で選手たちを助けることができなかったけど、幸運にもPKの場面で助けることができた。僕らが勝ったのは、何よりも根性と情熱があったからで、4万5000万人のアルゼンチン人のためにプレーしたからだ。彼らと同じように興奮しているよ」

 メッシという偉大なタレントの存在はいまなお絶対的だ。しかし、そんな大黒柱を縁の下で支えるマルティネスのような選手がいるからこそ、今大会のアルゼンチンは強い。はたして、この勢いのまま悲願の世界制覇を彼らは成しえるのか。次は決勝進出を懸け、現地時間12月13日に日本とブラジルを打ち破ってきたクロアチアと対戦する。

構成●THE DIGEST編集部

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