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海外サッカー

「選手生命を賭けたギャンブルだ」骨折の重傷も気力で戦い抜いたソン・フンミンに英医学識者も驚愕!「休息が必要だった」【W杯】

THE DIGEST編集部

2022.12.12

痛みを堪えながらも奮闘したソン・フンミン。多くの称賛を集めた彼のパフォーマンスだったが、それはスポーツ医学のプロも驚くものだった。(C)Getty Images

痛みを堪えながらも奮闘したソン・フンミン。多くの称賛を集めた彼のパフォーマンスだったが、それはスポーツ医学のプロも驚くものだった。(C)Getty Images

 文字通り一か八かの挑戦だったようだ。カタール・ワールドカップに参戦した韓国代表FWのソン・フンミンである。

 去る12月5日(現地時間)に行なわれたブラジルとの決勝トーナメント1回戦で1-4と敗れた韓国。しかし、難敵揃いだったグループHをポルトガルとの最終戦で、後半アディショナルタイムの劇的弾によって2位通過を果たすなど、決して高くはなかった大会前の予想を越える結果を残した。

 世界的に声価を高めた“アジアの虎”にあって、やはり小さくない存在感を発揮したのが、ソン・フンミンである。全試合に先発フル出場を果たした30歳は、ゴールこそ奪えなかったが、ピッチを奔走し続けて献身的なプレーを披露。ポルトガルを打ち破る決勝点も、彼の絶妙なアシストから生まれたものだった。

 もっとも、コンディションは最悪だったと言っていい。大会を直前に控えた11月のマルセイユ戦(チャンピオンズリーグ)で相手DFと接触。これによって左の眼窩骨折を含む「4か所も骨折」(韓国代表チームドクターのワン・ジュンホ氏談)したソン・フンミンは、フェイスガードをつけてのプレーを余儀なくされる。さらに大会期間中もドーピングテストに関する懸念から鎮痛剤も効果的なものが打てずに苦しんだ。
 
 そんな韓国の天才に「医学的に見れば好ましくはなかった」と訴えたのは、プレミアリーグに所属するありとあらゆる選手の故障情報をデータ管理している英医学専門家のベン・ディナリー氏だ。

 日夜、膨大な故障データをもとに、科学的アプローチから選手の回復に向けてアドバイスも行っているというディナリー氏は、英サッカー専門サイト『Football Insider』のインタビューで、「彼に必要なのはワールドカップ出場じゃなくて、間違いなく休息だった」と断言。そのうえで「おそらく選手生命を賭けたギャンブルだと言える」と指摘した。

「そろそろフェイスガードを外すかどうかの話し合いをするだろうけど、あの怪我はまだまだ回復の初期段階だ。もしも、ワールドカップじゃなければ、彼は、試合はもちろん練習にも出ることはなかったはずだ。比較的無傷で大会を終えられたのは幸運だと言えるね」

 スポーツ医学のプロフェッショナルをして、ここまで言わしめる重傷を負っていたソン・フンミン。それでも「国民のことを誰よりも考えていた」(ワン・ジュンホ氏談)という稀代の点取り屋が見せた気迫には、脱帽するしかない。

構成●THE DIGEST編集部

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