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「PKで再び破滅」8強止まりのイングランドに賛否。「最高のチームだった」“スリー・ライオンズ”に欠けていたものは【W杯】

THE DIGEST編集部

2022.12.12

同点チャンスのPKを外したイングランドの主将ケイン。絶好機を逸し、ベスト4進出は叶わなかった。(C)Getty Images

 現地時間12月10日のカタール・ワールドカップ(W杯)準々決勝はフランス対イングランドという大会屈指の好カードは、前者が常に先手を取って2-1の勝利を収めた。

 互角の攻防のなか、17分にオーレリアン・チュアメニが約25メートルの距離からノーステップで右足を振り抜くと、鋭い弾道のシュートがイングランド・ゴールの左隅に突き刺さって前回王者が先制する。
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 対してイングランドは54分にブカヨ・サカに対するファウルでPKを獲得。これをエースのハリー・ケインが決めて追いつき、さらに攻勢を強めたが、これをしのいだフランスは78分、アントワーヌ・グリーズマンのクロスをオリビエ・ジルーが頭で合わせて勝ち越しに成功した。

 追い込まれたイングランドは、84分にVARでの検証によってメイソン・マウントがテオ・エルナンデズにペナルティーエリア内で体当たりを受けたとして再びPKを獲得。ケインが引き続きキッカーを務めたが、ボールはクロスバーを越えてしまい、格好の同点機を逃す。その後は、試合終了間際に得た好位置でのFKもマーカス・ラッシュフォードがわずかに枠を外し、1966年地元開催以来のW杯制覇の夢は潰えた。
 
 前回王者に対し、過去の対戦成績では17勝5分け9敗と大きく勝ち越し、W杯でも過去2戦対戦して全勝しているイングランドは、直近のメジャーイベントであるEURO2020(昨夏開催)でも決勝進出を果たすなど(フランスは16強止まり)、勢いでは上回ると思われたが、その期待通りに大部分の時間帯で攻勢に立ったものの、結果的にエースのPK失敗に泣くこととなった。

 イングランドといえば、W杯ではPK戦に弱く、1990年イタリア大会準決勝の西ドイツ戦を皮切りに3回連続で敗れ、前回大会の決勝トーナメント1回戦コロンビア戦では心理学者をつけての強化によって、ようやく初勝利を挙げたことで有名だが、前述のEURO2020決勝のイタリア戦で再びPK戦でタイトルを取り逃がすなど、相変わらずの"鬼門"であるとされており、今回はまた違う形で「11メートルの対決」によって行く手を阻まれてしまった。
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