当代屈指の偉才にとってキャリアを懸けた大一番が迫っている。現地時間12月18日に行なわれるカタール・ワールドカップ（W杯）の決勝で、36年ぶりの世界制覇を目指すアルゼンチン代表はフランス代表と対戦する。
【動画】メッシも熱唱！ アルゼンチンで人気沸騰の応援歌「Muchachos」をチェック

　大会初戦のサウジアラビア戦でよもやの逆転負けを喫して窮地に立たされながらも、そこから不屈の精神力で立ち直り、見事に２大会ぶりのファイナルに駒を進めたアルゼンチン。そんな南米王者の原動力となっているのが、他でもない大黒柱のリオネル・メッシだ。

　現在35歳のメッシは「きっと次の日曜日（18日）が僕にとって最後のワールドカップになる。次回のワールドカップまでは何年も待たなければならないし、そこまでもつとは思えない」と今大会後の代表引退を明言。数多のゴールを決めてきた天才のアルビセレステ（アルゼンチン代表の愛称）でタイトルを勝ち取るラストチャンスとあって、チームも「メッシを勝たせたい」（エミリアーノ・マルティネス談）と一致団結してきた。

　そんなメッシのもとには、愛すべき家族からの力強いメッセージが届けられたようだ。アルゼンチンのスポーツ専門局『Tyc Sports』によれば、17日に妻のアントネラ・ロクソさんがインスタグラムのストーリー動画で一枚の手紙を公開。それは10歳になる長男チアゴからのものだった。

　アルゼンチン国旗を描いた紙には、今大会中に国内で一大ムーブメントとなったアルゼンチン代表にとってお馴染みの応援歌「Muchachos」の歌詞が綴られていた。父親であるメッシに対する応援歌でもあるため、チアゴ君は歌詞を気に入ったようだ。
  　ちなみにチャントの一節には、英雄ディエゴ・マラドーナに対する言葉も使われている。

「少年たちよ。俺たちは今再び希望を抱いている。３回目の勝利が欲しいんだ。ワールドカップに勝ちたいんだ。天にはディエゴが見える。ドン・ディエゴとトタ（マラドーナの父親と母親の名前）と一緒に、メッシを応援し続けている」

　チアゴ君の「勝ってほしい」という願いが十分に込められた手紙だ。それだけに各国メディアも反応しており、『Tyc Sports』は「このワールドカップでレオ（メッシの愛称）にとって家族の支えがいかに大切であるかを物語る」とレポート。さらにスペイン紙『AS』のアメリカ版は「チアゴ・メッシは尊敬する父が再びワールドカップでアルゼンチンを勝たせることを信じてやまない。これはこれ以上にないサポートだろう」と強調した。

　はたして、偉大なる10番は、愛息子の願いに応えられるのか。運命の大一番への楽しみは尽きない。

構成●THE DIGEST編集部

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