2022年のスポーツ界で印象的な出来事を『THE DIGEST』のヒット記事で振り返る当企画。今回は、昨年行なわれたカタール・ワールドカップの準々決勝でリオネル・メッシ（アルゼンチン代表）が怒りを露わにしたシーンを取り上げる。普段は穏やかなメッシがヴォウト・ヴェフホルスト（オランダ代表）に「バカ野郎」と言い放った理由は何だったのか。

記事初掲載：2022年12月10日

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「何見てんだよ、バカ野郎。どっか行けよ！」

　現地時間12月９日に行なわれたカタール・ワールドカップの準々決勝で、PK戦の末にオランダを撃破したアルゼンチン。そんなチームにあって１ゴール・１アシストと出色の働きを見せたリオネル・メッシは、試合後に実施された母国のスポーツ専門局『Tyc Sports』のフラッシュインタビュー中に激昂。目の前にいた相手FWヴォウト・ヴェフホルストを“口撃”したのである。

【動画】「何見てんだよ！ あっち行け！」相手FWにイラッ！メッシが怒ったインタビューをチェック

　16枚ものイエローカードが飛び交った試合にあって、相手ベンチと睨み合いをするなど、アルビセレステ（アルゼンチン代表の愛称）の10番がフラストレーションを溜め込んでいたのは想像に難くない。しかしながら、メッシがここまで怒りを露わにするのは珍しいシーンであったために、各国メディアでも大々的にクローズアップされた。

　実際に“舞台裏”では何が起こっていたのか、そして何が原因だったのか。一部始終を収めていた『Tyc Sports』によれば、試合中から口論になっていたヴェフホルストは、メッシが「バカ野郎」と言い放った直後に、「黙れよ！ こっち来いよ」と反攻。これによってスタッフを含めた両陣営が一触即発のムードに発展したのだという。

　そこに割って入ったのは、アルゼンチン版『ESPN』でゲスト解説を務め、メッシの盟友でもあるセルヒオ・アグエロだった。両陣営の間に介入するとエキサイトする30歳のオランダ人FWを「黙れ！」と英語で一喝。これを見たリサンドロ・マルティネスが「もういい、ほっておけ！ 俺たちの方がまとまった良いチームだ」とメッシを含めたチーム関係者をいさめ、事態は収拾した。
  　騒動が落ち着いて間もなくして、『ESPN』の番組に生出演したアグエロは「発端は間違いなく19番（ヴェフホルスト）だ」と発言。あらためて物議を醸したシーンを振り返っている。

「あいつが『おい、メッシ！ メッシ！』と声をかけ、レオ（メッシの愛称）が振り向くと、『こっち来いよ！おい』と激しく言ってきたんだよ。だから俺も気づいたときには我を忘れて飛び込んでいたね」

「とにかく『黙れ、いいから黙れ！』って忠告したよ。なんでこうなったかは分かってるだろうからね。そしたらあいつは俺に『お前には言ってない』と言ってきたんだ。だから、俺は『分かったからもうメッシには話しかけんなよ』って言ったのさ」

　同局のインタビューで「好きじゃなかったよ。あれはサッカーの一部じゃない。あとオランダの選手の何人かが試合中に余計なことを言った後に、ファン・ハールからも軽視されているように感じた」とも漏らしていたメッシ。両者の間には、試合中から浅からぬ因縁があったようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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