ポルトガルの試合で主審が提示したのは、見慣れない色のカードだった。ポルトガル全国紙『Record』や米ネットワーク『ESPN』などが大々的に報じている。

　現地土曜日、女子のポルトガルカップ準々決勝が行なわれ、ベンフィカとスポルティングのライバル同士が激突。その前半終了間際、ベンフィカが３－０でリードするタイミングだった。バックスタンドで観戦していたひとりのファンが体調不良で倒れる。緊急事態に駆けつけたのは、両チームのメディカルスタッフ。協力し合って迅速な処置を施すと、そのファンは大事に至らず、すぐに回復したという。

　そこで、女性主審のカタリーナ・カンポスさんがふたりのスタッフに提示したのが「ホワイトカード」だった。選手およびコーチングスタッフらの振る舞いに対して、ペナルティーの意味合いでイエローやレッドのカードが提示されるが、サッカーの試合でホワイトが使われるのは史上初だ。
  　これはポルトガル国内のスポーツ倫理委員会が発案し、ポルトガル・サッカー連盟が初めて試験的に導入した試みだという。ゲームにおける両チームのフェアプレーを称え、スポーツの倫理的価値を高めるために設置されたものだ。

　女子サッカーとはいえ、そこは宿敵対決のリスボン・ダービー。熱狂的なファンが押し寄せるなか、スタンドからは拍手喝采の賛辞が送られ、温かい雰囲気に包まれた。

　ちなみにポルトガルでは女子サッカーの人気が高まっており、この試合では１万5302人の観衆を集め、同国女子サッカー史上の最高動員数を記録したようだ。試合はベンフィカが５－０で勝利し、準決勝に駒を進めている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【動画】史上初！ 主審が提示した「ホワイトカード」にスタンドは拍手喝采の大反響！

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