25歳のサムライが見せるハイパフォーマンスに対する話題は尽きない。ブライトンに所属する三笘薫のそれだ。
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　今季にプレミアリーグ１年目を迎えた若武者は、開幕当初にはアマチュア時代から磨き上げた驚異的なドリブルによるチャンスメイクで貢献。チーム内での声価を徐々に高めると、カタール・ワールドカップによる中断が明けてからは、洗練されたフィニッシュワークも発揮。直近の公式戦３試合では全試合でゴールを決め、国内外で一大フィーバーを巻き起こしている。

　そんな日本人アタッカーを含めてブライトンには、アルゼンチン代表MFのアレクシス・マク・アリステルエクアドル代表MFのモイセス・カイセドなど成長著しい若手が所属。移籍市場においてはメガクラブの垂涎の的となっている。

　ここで興味深いのは、ブライトンが多くの主力選手を安価で買い叩いている点だ。いまや絶対に欠かせない主力となった三笘も21年８月に川崎から入った際の移籍金はわずかに250万ポンド（約３億9500万円）だったが、今では「3500万ポンド（約56億円）以上の価値がある」（伊移籍専門記者ファブリツィオ・ロマーノ氏談）と伝えられるまでに至っている。

　無論、当人の努力によるところは大きい。しかしながら、ブライトンのスカウトが持つ先見性は図抜けていると言える。そのスカウティング能力の高さは、現地の識者も唸る。
  　サッカー界の金融情報に明るい、イギリスの作家キーラン・マグワイア氏は、自身のポッドキャスト番組内で「ブライトンはここ数シーズンで多くの若手を売り出してきた。売却益はかなりのものだ。今もカイセド、マク・アリステル、そしてミトマは、夏の売却に向けて人気が沸騰している」と指摘。さらに彼らの獲得金が1500万ポンド（約23億7000万円）以下であったと強調し、次のように論じた。

「多くの若手選手たち、そして代理人たちがブライトンに惹かれる理由は、彼らが決してステップアップの移籍を邪魔しないからだ。過去２年間ではベン・ホワイトやマルク・ククレジャ、イブ・ビスマがチームを去った。全員が主力だったが、適正な価格だと判断されて移籍した。

　トニー・ブルーム（ブライトン・オーナー）はオファーが適正なものであれば、誰の邪魔もしない。カイセドとマク・アリステルは今夏に出ていくかもしれない。さらに（エバン・）ファーガソンやミトマも２、３年後には出て行くかもしれない。私が思うにブライトンは単なる『売るクラブ』ではなく、買うのも巧いクラブだ」

　巧みな編成でチーム力を高めてきたブライトン。そのなかで確かなポテンシャルを発揮する三笘は、このまま“ステップアップ”を果たせるのか。その動向は興味深いものになりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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