昨年末に行なわれたカタール・ワールドカップ(W杯)は、決勝でPK戦の末にアルゼンチン代表がフランス代表を撃破。36年ぶりの戴冠を果たした。
【動画】「エムバペに1分間の黙祷を捧げます」アルゼンチン代表GKマルティネスの問題発言をチェック
母国の“英雄”ディエゴ・マラドーナを擁した1986年のメキシコ大会以来となる快哉を叫んだアルゼンチン。要所でリーダーシップを発揮した大黒柱のリオネル・メッシを中心としたチームのドラマティックな勝利は世界で大きく称賛された。
一方で守護神エミリアーノ・マルティネスの振る舞いは小さくない波紋を広げた。というのも、数々の“問題行動”を見せたからである。
まず、決勝戦後のセレモニーで敵サポーターからブーイングを受けた30歳は、表彰台で大会最優秀GK賞のトロフィーを股間に当てる挑発的な行動を披露。さらに勝利の余韻が冷めないロッカールームでは、仲間を煽るように「1分間の黙とう…死亡したエムバペのために」とチャントを歌った。
品のない言動ではあったものの、アルゼンチン国内ではマルティネスの振る舞いを好意的に受け止める向きもあった。かたやプライドを傷つけられた格好の欧州、とりわけフランスでは「公敵だ」と猛烈なバッシングを受けた。
ではなぜ彼は、ともすれば愚かとも言える振る舞いを見せたのか。他でもない本人がフランスの老舗サッカー誌『France Football』の取材で、「僕は誰かを傷つけるつもりはなかった。後悔しているか? まぁ同じようなことは二度としないと思う」と振り返っている。
「僕はこのキャリアを通じて、多くのフランス人とプレーしてきた。そのなかで彼らとの問題は一度もなかった。ジルー(フランス代表FW)に僕がどんな人間か聞いてみるといい。とにかく僕はフランスの文化やメンタリティーが好きなんだ。あのトロフィーを手にした時のジェスチャーは、チームメイトと冗談でやったものだ」
さらに「みんなに『もうやるな!』と怒られたよ。もちろんレオ(メッシの愛称)にもね。本当に瞬間的な行動でやってしまったことなんだ」と舞台裏を打ち明けたE・マルティネスは、続けざまにエムバペを侮辱する内容のチャントに対する持論も口にしている。
「ロッカールームでのことはロッカールームで済ますべきだ。あれは絶対に公にすべきではなかった。2018年のロシア・ワールドカップでフランスが僕らを倒した時に、彼らがメッシに対するチャントを歌っていたのを覚えていたんだ。
エムバペに対して、個人的な恨みや僻みなんかない。むしろ尊敬しているくらいだ。決勝戦の後、僕は彼に『対戦できて嬉しかった。もう少しで君一人に負けるところだった』と伝えた。もちろんリスペクトがあってのことだ。彼は計り知れない才能を持っている。メッシがいなくなったら、キリアンはきっと多くのバロンドールを獲るだろうね」
相手エースへの敬意を示したE・マルティネス。世界王者となった名手は、こう言い残してもいる。
「人によっては、僕のことをピエロだと思うかもしれない。でも、僕はストライカーがゴールを喜ぶように喜んだだけだ。ゴールキーパーがああいう振る舞いを見せると、『驚きだ』と言われるけど、一体なぜなんだ?」
構成●THE DIGEST編集部
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母国の“英雄”ディエゴ・マラドーナを擁した1986年のメキシコ大会以来となる快哉を叫んだアルゼンチン。要所でリーダーシップを発揮した大黒柱のリオネル・メッシを中心としたチームのドラマティックな勝利は世界で大きく称賛された。
一方で守護神エミリアーノ・マルティネスの振る舞いは小さくない波紋を広げた。というのも、数々の“問題行動”を見せたからである。
まず、決勝戦後のセレモニーで敵サポーターからブーイングを受けた30歳は、表彰台で大会最優秀GK賞のトロフィーを股間に当てる挑発的な行動を披露。さらに勝利の余韻が冷めないロッカールームでは、仲間を煽るように「1分間の黙とう…死亡したエムバペのために」とチャントを歌った。
品のない言動ではあったものの、アルゼンチン国内ではマルティネスの振る舞いを好意的に受け止める向きもあった。かたやプライドを傷つけられた格好の欧州、とりわけフランスでは「公敵だ」と猛烈なバッシングを受けた。
ではなぜ彼は、ともすれば愚かとも言える振る舞いを見せたのか。他でもない本人がフランスの老舗サッカー誌『France Football』の取材で、「僕は誰かを傷つけるつもりはなかった。後悔しているか? まぁ同じようなことは二度としないと思う」と振り返っている。
「僕はこのキャリアを通じて、多くのフランス人とプレーしてきた。そのなかで彼らとの問題は一度もなかった。ジルー(フランス代表FW)に僕がどんな人間か聞いてみるといい。とにかく僕はフランスの文化やメンタリティーが好きなんだ。あのトロフィーを手にした時のジェスチャーは、チームメイトと冗談でやったものだ」
さらに「みんなに『もうやるな!』と怒られたよ。もちろんレオ(メッシの愛称)にもね。本当に瞬間的な行動でやってしまったことなんだ」と舞台裏を打ち明けたE・マルティネスは、続けざまにエムバペを侮辱する内容のチャントに対する持論も口にしている。
「ロッカールームでのことはロッカールームで済ますべきだ。あれは絶対に公にすべきではなかった。2018年のロシア・ワールドカップでフランスが僕らを倒した時に、彼らがメッシに対するチャントを歌っていたのを覚えていたんだ。
エムバペに対して、個人的な恨みや僻みなんかない。むしろ尊敬しているくらいだ。決勝戦の後、僕は彼に『対戦できて嬉しかった。もう少しで君一人に負けるところだった』と伝えた。もちろんリスペクトがあってのことだ。彼は計り知れない才能を持っている。メッシがいなくなったら、キリアンはきっと多くのバロンドールを獲るだろうね」
相手エースへの敬意を示したE・マルティネス。世界王者となった名手は、こう言い残してもいる。
「人によっては、僕のことをピエロだと思うかもしれない。でも、僕はストライカーがゴールを喜ぶように喜んだだけだ。ゴールキーパーがああいう振る舞いを見せると、『驚きだ』と言われるけど、一体なぜなんだ?」
構成●THE DIGEST編集部
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