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「最後に失恋した…」浦和レッズの”ACL史上最多3度目V”に中東メディアが感服! アジア王座奪還と発破も「次回は戦いを避けたい」

THE DIGEST編集部

2023.05.07

ACL史上最多3度目の優勝を飾った浦和レッズを中東のメディアも称えた。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 浦和レッズが史上最多3度目のアジア制覇を成し遂げた。

 5月6日、埼玉スタジアム2002で行なわれたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦。浦和レッズはホームでアル・ヒラル(サウジアラビア)と対峙した。相手のオウンゴールから奪った1点を最後まで守り切り、1-0で勝利。2戦合計2-1で2017年以来、6年ぶりの優勝を飾った。

 前半はアウェーのアル・ヒラルに決定機を作られた。それでも浦和は相手の猛攻をGK西川周作を中心とした守備陣が踏ん張り、0-0で折り返した。

 ホームの大声援を背に、試合が動いたのは48分。センターサークル付近で得たFKからDFマリウス・ホイブラーテンがペナルティエリア中央へ折り返す。FW興梠慎三が果敢に飛び込んだがボールには触れず、相手DFの足に当たったボールがそのままネットに吸い込まれた。相手のオウンゴールを誘い、浦和が貴重な先制点を挙げた。

 スタジアムのボルテージは最高潮に達し、3度目のアジア王者をぐっと引き寄せた浦和は何度もカウンターアタックからアル・ヒラルのゴールを脅かし、チャンスを創出した。

 一方、2連覇を狙うサウジアラビアのビッククラブも諦めない。90分、アル・ヒラルはFWオディオン・イガロがペナルティエリア中央で相手のマークを剥がし、右足を一閃。強烈なボールは低めの軌道を描いてゴール中央に飛ぶが、GK西川がスーパーセーブ。最大のピンチだったが、浦和の守護神がゴールに鍵をかけて死守する。

 追加点こそ奪えなかったものの、試合はそのまま1-0でタイムアップ。4年前の決勝で敗れた相手に浦和はリベンジを達成。見事3度目の戴冠を果たしたのだ。
 
 浦和の優勝に中東メディアも反応している。サウジアラビアの日刊英字紙『ARAB NEWS』は、自国のビッククラブが得点を最後まで奪えず、ACLファイナルで涙を呑んだ結果を受けて「最後に失恋をした」と報じた。

 記事内で同紙は「もし、先週ホームで行なわれた第1戦でアル・ヒラルが1-0でリードしているときに、ポストに跳ね返ったボールがシンゾウ・コウロキに渡らずゴールを許していなかったら、どうなっていただろう?」で書き出し、「第1戦のゴールを決めたサレム・アル・ダウサリがレッドカードをもらわず、第2戦に出場していたら? ラモン・ディアス監督が両試合とも、圧倒的なポゼッションをもっと活かしていたら?」と"たられば"を連発。第1戦のホームで引き分けに終わったことと、主力の負傷や出場停止が最後まで響いたと嘆いている。

 さらに『ARAB NEWS』紙は「この試合はアル・ヒラルがボールを保持し、チャンスを作りながら、それをモノにできなかった第1戦を反映したものだ」と振り返り、「浦和の守備は、アル・ヒラルの攻撃をすべて受け止めていた。相手の守備と、アル・ヒラルの交代選手たちが最終的に違いとなり、優勝トロフィーを逃がした。悔しさを胸に帰国することになったのだ」と、浦和の堅守を最後まで崩し切れなかったと論じた。

 そして「次回のACLは浦和レッズとの戦いを避けたいところだ」と浦和の地力が今回は一枚上だったと認めつつ、「それでも、アル・ヒラルは決勝戦に戻るために再び奮い立たねばならない」とのメッセージで締めた。

 大会MVPには主将の酒井宏樹が選ばれた。浦和の選手たちの奮闘もさることながら、超満員に膨れ上がった埼玉スタジアムを圧巻のコレオと大声援で後押しし、最高の雰囲気を作り出したレッズサポーターの存在も見逃してはならない。

構成●THE DIGEST編集部

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