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クラブ創立143年目にして初のCL制覇を達成したマンC。名将グアルディオラと選手たちが生み出した記録の数々が偉大すぎた!

THE DIGEST編集部

2023.06.12

悲願のCL制覇を成し遂げたマンチェスター・シティ。(C)Getty Images

 現地時間6月10日に行なわれたチャンピオンズリーグ(CL)決勝は、マンチェスター・シティが激戦の末にインテルを1-0で下し、ついに欧州初制覇を果たした。

 互いに相手の良さを出させないよう、一つひとつのプレーが非常にハードなものとなった決勝らしい一戦は、マンCが68分にペナルティーエリア右を抜け出したベルナルド・シウバがマイナスに折り返してルーズボールになったところを、フリーのロドリがわずかなコースを突いてゴール右隅に突き刺したのに対し、インテルはフェデリコ・ディマルコや交代出場のロメル・ルカクらが決定機を決め切れず、この1点が両チームの明暗を分けた。

 1968-69シーズンに前身大会のチャンピオンズカップにリーグ王者として初出場し、フェネルバフチェ相手に1回戦で敗退を喫してから43年後、リーグ3位で初めてCLの舞台に立ってグループステージ敗退を喫し、そこからは毎シーズン出場権を獲得して徐々に成績を上げ、2020-21シーズンにようやく決勝に駒を進めたが、同じプレミアリーグのチェルシーに敗北。それから2年後、1880年創立のクラブはついに悲願を成就した。
 
 プレミアリーグ、FAカップ、そしてCLの三冠を示す「トレブル」の達成は、イングランドのクラブとしては、同じマンチェスターのライバルであるユナイテッド(マンU)が1998-99シーズン、かの有名な「カンプ・ノウの奇跡」で成し遂げて以来であり、また欧州全体ではセルティック(1966-67)、アヤックス(1971-72)、PSV(1987-88)、マンU(1998-99)、バルセロナ(2008-09、2014-15)、インテル(2009-10)、バイエルン(2012-13、2019-20)に続く10回目(8チーム目)の偉業である。

 また、マンCがイングランドのクラブとして欧州制覇を果たした6つ目のクラブとなったことで、マンチェスター(優勝3回)は所在する2つのクラブがビッグイヤーを獲得したことになり、1963-64シーズン(インテルが初優勝)にミラノ(インテル3回、ミラン7回)が創った記録に、60年ぶりに並んでみせた。

 2016年の監督就任以来、7シーズン目にしてマンCを大陸王者に導いた名将ジョゼップ・グアルディオラにとっては、14年間の監督キャリアにおいて35個目のタイトルであり、欧州制覇はバルセロナ時代の2008-09、2010-11シーズン以来3度目のこと。これは、ボブ・ペイズリー(リバプール)、ジネディーヌ・ジダン(マドリー)と並ぶ数字で、カルロ・アンチェロッティ(ミラン2回、マドリー2回)の最多4回に次ぐものである。

 さらに、2つの異なるクラブでの戴冠は、エルンスト・ハッペル(フェイエノールト、ハンブルク)、オットマール・ヒッツフェルト(ドルトムント、バイエルン)、ジョゼ・モウリーニョ(ポルト、インテル)、ユップ・ハインケス(マドリー、バイエルン)、そしてアンチェロッティに次ぐ6人目。そして、2つの異なるクラブでのトレブル達成(2008-09、2022-23)は、史上初のこととなった。
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W杯優勝とトレブルを同時に経験した最初の選手に

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