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「クラブも本人も興味がない」久保建英のナポリ行きをスペイン紙は完全否定! 一方でソシエダは古巣からの「権利買い取り」が困難とも

THE DIGEST編集部

2023.06.27

22-23シーズンは大いに躍動した久保。果たして、今オフの去就はどうなるのか。(C) Getty Images

 セリエA王者ナポリが、サウジアラビア行きが噂されるメキシコ代表FWイルビング・ロサーノの後釜として、レアル・ソシエダの久保建英の獲得を狙っていると、イタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』が報じた。

 6月24日の記事で、同紙は久保について、ナポリの新監督に就任したリュディ・ガルシアがかつてローマを指揮していた際に重用したコートジボワール代表FWのジェルビーニョと似た特徴を持っている選手であると評し、新指揮官にとっても好みのタイプであると記述。なお久保については、以前にもナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長がアジア市場の開拓を目論んでいる中で戦力補強の対象になっていると報じられたものである。

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 しかし、これに対しては本人がサン・セバスティアンから離れる意思はないことを明言しており、またソシエダが来季のチャンピオンズ・リーグ(CL)の出場権を獲得し(久保は同カップ出場を夢だったと語っている)、また財政面でも主力選手の売却の必要性がないことから、この件は実現の可能性が極めて低いと見られている。

 スペイン・マドリードのスポーツ紙『AS』は、ソシエダのスポーティングディレクターであるロベルト・オラベ氏の「長い夏になるだろう」とのコメントを紹介し、2022-23シーズンに躍進を遂げて一躍移籍市場でも注目の存在となった同クラブの主力選手の去就に対して、今オフでは様々な噂が流れることになると予想。そして、このナポリからの関心について「サン・セバスティアンのクラブは何も知らないし、日本人選手も今夏にイタリアでプレーすることに興味はない」と断言した。

 同メディアは、「イマノル・アルグアシル監督の下で『チュリウルディン』が良いシーズンを過ごした後、彼らに注目するクラブが存在するのは完全に論理的であり、正常なことだ」としながらも、「現時点でラ・レアルのスター選手に対して正式なオファーを出したクラブはない。また、オファーがあったとしても、それは聞き入れられず、交渉が行なわれることはない。10年ぶりにCL出場権を獲得したクラブにとって、チームを弱体化させることには興味がない」と一刀両断している。

 久保についても、「(イタリア側は)彼の市場価値が約2000万ユーロ(約30億円)だとしているが、念のために言っておくなら、交渉開始のための最低価格は契約解除条項に記載されている6000万ユーロ(約90億円)だ」と綴り、「何よりも、ナポリが本当に久保の獲得を望むのなら、まず彼自身を説得する必要がある」と主張するとともに、前述のようにこの日本人選手がソシエダでのプレーに満足していることを、彼のコメントを交えて強調した。

 なお、バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は、久保、そして同時に噂に上がったビジャレアルのイェレミー・ピノの獲得が難しそうなため、ベティスのロドリ・サンチェスにターゲットを変えたと報じているが、こちらも4000万ユーロ(約60億円)という決して安くはない契約解除金が設定されており、今後、さらに価値を高めることから、ベティスが今夏に売却するとは考えにくいとも綴っている。
 
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