2022-23シーズンも多くの日本人選手が欧州各国リーグでプレーしたが、高いパフォーマンスで絶大な存在感を発揮し、現地で高い評価を受けた者も少なくなかった。

　ブラジルの総合メディア『Globo』は、ここまで欧州11か国で奮闘したサムライ戦士75人の１年を振り返り、「日本サッカーが欧州でこれほどの量と質を揃えたことは、これまでになかったのではないか。６つのリーグで、日本人選手のシーズン最多得点記録が更新された。イングランドの三笘薫、スペインの久保建英、フランスの伊東純也、スコットランドの古橋亨梧、ベルギーの上田彩世、そしてオーストリアの中村敬斗だ」とポジティブに評している。

　そして、オーストリアの他、オランダ、トルコ、スイスの４か国の日本人選手を「素晴らしい」「良い」「及第点」「悪い」「酷い」の５段階で評価。前述の中村には当然ながら「素晴らしい」を与え、LASKリンツでチーム最多得点（公式戦17ゴール）を記録し、国外の複数クラブから関心を示されているこのFWについての寸評を、以下のように綴った。

「自分の特性を効率的に活用する方法を理解したことで、彼は爆発的に成長した。チームの得点王であり、オーストリア・ブンデスリーガの日本人選手のゴール記録を破ったことに加え、ドリブル回数82回、ドリブル成功率61％を記録した彼は、間違いなくリーグ最高のドリブラーだった。リーグの公式ウェブサイトによると、彼は『最優秀選手』に選ばれたという」

　続いてオランダでは、中村同様に最高評価を得た選手が２人おり、AZの菅原由勢には「AZでスタメンの座を確立した23歳は、エールディビジで最高のSBのひとりとしての地位を確立。チームのアシストリーダー（８回）であるだけでなく、リーグでも最多のゴールに繋がるパスを記録した右SBでもあった。守備面でも進化を遂げ、日本代表でもスタメンに定着。より大きなリーグでプレーする資質があることを示しており、アルクマールに長く留まる可能性は低い」と賛辞が贈られている。
  　斉藤光毅については、スパルタで７得点８アシストを記録したシーズンを「相手に仕掛けていく積極的なスタイルで、観衆を魅了し、チーム内でますます存在感を強めていった。最高の瞬間はシーズン終盤に訪れ、３月のエメン戦ではドリブルで２人のマーカーを一気にかわして独走でのゴールを決め、３試合連続得点を達成。５月にも連続試合で３ゴールを挙げ、素晴らしい形でレギュラーシーズンを終えた」と振り返った。

　プレミアリーグのウォルバーハンプトンからスイスのグラスホッパーにレンタルされている川辺駿に対しても、「最初のシーズンもすでに素晴らしいものだったが、今季はさらに素晴らしかった。普段は守備的MFとしてプレーしていたにもかかわらず、攻撃での主力選手であり、チームの得点王、アシストリーダー、そしてトッププレーメーカーでもあった。彼がチームのMVPに選ばれなかった唯一の理由は、素晴しいシーズンを過ごしたポルトガル人GKのアンドレ・モレイラがいたからである」と手放しで絶賛している。

　トルコに目を向けると、昨年９月にポルトからアンタルヤスポルに加入した中島翔哉は、途中出場から10数秒で退場という新天地デビューを飾って以降、公式戦16試合出場（先発出場は７試合）でゴール、アシストはなし。怪我での長期離脱もあり、「結局、彼のキャリアはまた１年、無駄になってしまった。クラブはすでに彼を放出し、別のクラブを探すためにフリーで送り出したほどだ」と、同メディアの記述も厳しいものとなった。

　なお、９選手の評価は以下の通りである。

◇オーストリア
中村敬斗（LASKリンツ／FW）　素晴らしい
◇オランダ
菅原由勢（AZ／DF、MF）　素晴らしい
斉藤光毅（スパルタ／FW）　素晴らしい
前田直輝（ユトレヒト／MF）　悪い
ファン・ウェルメスケルケン・際（カンブール／DF）　悪い
◇トルコ
中島翔哉（アンタルヤスポル／FW）　悪い
◇スイス
川辺 駿（ウォルバーハンプトン→グラスホッパー／MF）　素晴らしい
瀬古歩夢（グラスホッパー／DF）　良い
原 輝綺（グラスホッパー／DF）　悪い

構成●THE DIGEST編集部


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