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海外サッカー

マドリーBで“構想外”の中井卓大、大幅なメンバーの刷新が予想される新シーズンに向けて現地紙は「中井の進路には、2つの選択肢がある」

下村正幸

2023.07.14

マドリーBで厳しい立場に追い込まれた中井卓大。(C)Getty Images

マドリーBで厳しい立場に追い込まれた中井卓大。(C)Getty Images

 現地スペインでは今夏、カスティージャ(レアル・マドリーB)で大幅な陣容刷新が行なわれると報じられている。もともとBチームという性質上、選手の入れ替わりは激しいものだが、昨シーズンはプレーオフの末に2部昇格を逃しているだけに致し方ない部分もあるだろう。

 まず、“卒業”という意味合いでの退団が確実視されるのは、DFラファ・マリン(21歳)、MFセルヒオ・アリバス(21歳)、MFカルロス・ドトール(22歳)の主力3人だ。いずれもすでに3部リーグでは突出した存在になっており、年齢的にも実力的にもこれ以上カスティージャでプレーしつづける意味はない。たとえばラファ・マリンは、スペイン紙『アス』によると、ベティスやビジャレアルといった1部のクラブの争奪戦の対象になっている。

 一方、退団を余儀なくされるのが、期待に応えることができなかった選手たちだ。現地スペインでは、このグループに中井卓大が含まれていると報じられている。1年で中井の立ち位置がいかに変わったかは、スペイン紙『マルカ』の昨シーズンの開幕前と終了後の評価を比べれば明らかだろう。
 
「日本人選手は、ユースレベルで十二分にそのクオリティーを示してきた。攻撃的なプレーが持ち味で、ストライカーとしてもプレーできる。”ピピ”は国際レベルで最も有望な若手の1人であり、カスティージャでも多くのプレー時間を与えられるべきだ」

 これが2022年8月時点の評価。そして以下が2023年6月に配信された記事の中から抜粋したものだ。同じシルビア・タマラル記者による寸評である。

「リーグ戦ではわずか2試合の出場(出場時間は計5分)にとどまり、全く主役を演じることができない困難なシーズンとなった。1月にレンタル移籍が検討されたが、残留を選択。しかし、最後までラウール・ゴンサレス監督の構想に入ることはできなかった」

 もちろん、中井はまだカスティージャでの1年目を終えたばかりの選手だ。まだ19歳と、年齢的にも少なくとももう1年はチャンスを与えられていい。しかし彼がプレーする中盤には、すでに昨シーズンの時点で1歳年下の選手が台頭してきている。元アルゼンチン代表DFパブロ・パスの息子、ニコ・パスだ。この現在18歳の天才MFは昨シーズン、14試合に出場して1得点・3アシストを記録している。
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